Engadgetで、今年のE3でPlayStation4が発表されるという情報についてソニーの平井一夫氏が今年のE3では何の発表も行わない、とPS4発表を明確に否定したことを伝えていました。
Andrew House氏も今年のE3でのPS4発表を先に否定したそうですが、そのAndrew House氏の発言を追認する形で平井氏は次のように語りました。
「Andyの言ったことはまさにその通りで、我々としてはE3で(PS4については)何の発表もしません。常に言っていますが、PS3のライフサイクルは10年です。その方針を度外視しなければならない理由はありません。」
2006年に発売されたPS3が10年のライフサイクルだとすると、単旬計算では2016年にその役目を終えることになります。
ただし、いまだに販売されているPS2とPS3は完全にライフサイクルはオーバーラップしていることから当然PS3とPS4もライフサイクルがオーバーラップすることも十分あり得ます。今年のE3で発表されたとすれば誰もがそう考えるでしょう。
もっともPS2が現役なのはPS3がコストダウンのためにPS2互換機能を省いたための例外中の例外なのかもしれませんが、それでもいまだに一週間に1000台以上売れていますのでそれなりに市場存在価値はあるようです。
今年のE3では任天堂がWii Uの市販に向けた最終型を発表することになっており、マイクロソフトもXbox 720を発表するのではないかとの噂もあります。もしマイクロソフトがXbox 720を発表した場合、SCEだけが次世代機で完全に出遅れる形になりますので営業戦略上好ましいことではないのは明白です。それでも今年のE3では発表しないというのであればそこにはSCE社内で営業サイドの要望を一蹴できるほどの決定的な事実が存在するはずです。
もちろん発売したばかりのPS Vitaが軌道に乗るまでは開発資源をVitaに集中させたいという思惑はあるはずですが、私はPS4が出てこない一番大きな問題は、PS4が過去のPlayStationタイトルへの後方互換性が確保できる目処が立っていないからではないかと考えています。
SCEとしては生産設備の維持費や保守対応を考えても旧型をいつまでも残しておくことは非効率なので当然PS4ではPSOne/PS2/PS3互換が望ましいと考えているに違いありません。しかしPS3初期のようにハードウェアに頼った互換性実現のために価格が高騰すると販売不振に陥る可能性が高まるのでPS Vitaで実践したような「目標価格を決めてから開発、後方互換性はソフトウェアエミュレーション技術で実現する」ものと思われます。
PS3の性能ではPS2のソフトウェアエミュレーションはできないようですので、更に性能が要求されるPS4でのPS3のソフトウェアエミュレーションというのは現状では手が届く範囲にはないのではないでしょうか。
つまり、いくらライバルメーカーが次世代機にモデルチェンジをしたとしても、それが現実のものになるまではPS4への移行はできないというのがPS3の10年ライフサイクル固持の真相なのかもしれません。