任天堂が、23.0.0で近接リモート攻撃による情報漏洩の脆弱性対策を実施したことを公表していました。(にゃるさん情報ありがとね)
Nintendo Switch 1 システムバージョン 23.0.0の更新内容に「いくつかの問題の修正と、動作の安定性向上を行いました。」というものがありましたが、任天堂が個別にアップデートを呼びかけるほどの重大な脆弱性の解消を「いくつかの問題の修正と、動作の安定性向上」としていたことになります。
任天堂は「Nintendo Switch の近接リモート攻撃による本体情報漏えいの可能性」という発表をしており、本体情報漏えい回避のため23.0.0への更新を呼びかける形を取っていますが、本体情報漏えいというのは脆弱性を悪用された時に発生する事象の一つにすぎません。だいたいSwitchの本体情報って世間が気にする個人情報とは違うのでは?情報漏えいというワードで危険性を演出しているような気がします。
23.0.0で対策された脆弱性は付与された共通脆弱性列挙識別子(CVE ID)がCVE-2026-82079です。脆弱性データベースによるとこの脆弱性はNintendo Switchのローカル無線ネットワーク機能に存在したスタックベースのバッファオーバーフローの脆弱性で、無線通信範囲内にいる攻撃者がネットワークを介してROP(Return-Oriented Programming: セキュリティが存在する中でコードを実行できるようにするプログラム)で任意のコードを実行できてしまうという脆弱性です。exploitとして使えそうですね。
どうもこれまでのファームウェアにもずっと存在したようで、23.0.0で初めて対策されました。つまり22.5.0までのすべてのファームウェアに脆弱性があったようです。
この脆弱性、具体的にはSwitchの画面に表示されたQRコードを第三者に読み取られ、その情報を元にリモートで攻撃されることで悪用されるようです。QRコードさえ読み取られなければ問題ないとしています。
ということで、問題になるのは
●アルバム内のコンテンツをスマートフォンに転送する「スマートフォンへ送る」機能で表示されるQRコード
●『マリオカート ライブホームサーキット』でカートとSwitch本体をペアリングするときに表示されるQRコード
となっています。QRコード自体ではなくQRコードを使う通信に脆弱性が存在します。
QRコードを使って通信するところで外部(要するにリモート攻撃)からバッファオーバーフローを引き起こし、非署名コードを実行できるということです。Switch単体でのハックではなく何らかの(スマートフォンやPCなど)と組み合わせて非署名コードの実行ができることになります。
Switch 1はすでに解析され丸裸になっていますから脆弱性の存在さえわかってしまえば活用は容易でしょう。Nintendo Switchでは初めてではないかと思いますが、AtmosphereをインストールしなくてもHomebrew Launcherを介してエミュレータや各種ツールなどのHomebrew起動がソフトウェアハックで可能になる可能性が高いです。
この脆弱性、「外部セキュリティ研究者により任天堂に報告されました」とされています。
任天堂としては費用を払っているであろうHackeroneで報告された脆弱性であれば「外部セキュリティ研究者から報告」と言わないでしょうから、誰かが世間に公表せず任天堂だけにチクったということです。
Nintendo Switch 1 システムバージョン 22.5.0が公開された2026年6月中ば時点では脆弱性が明らかになっていなかったのは間違いありません。この数ヶ月の間に外部セキュリティ研究者が報告してきたのでしょう。
残念なのが、この脆弱性CVE-2026-82079hSwitch 2には存在しないことです。私にはSwitch 2に存在しなかった理由の方が気になります。Switch 2のセキュリティはそもそもSwitch 1より遥かに強化されているのかもしれません。