GitHubで、SciresM氏がFusée Gelée(NVIDIA Tegraプロセッサの脆弱性を利用し起動時に任意のコードを実行するcoldboot exploit)を利用したりModチップを利用したりすることで起動することができるNintendo SwitchのカスタムファームウェアAtmosphere 1.9.2(af859d9e6)をリリースしていました。
Happy June 15th! Atmosphère 1.9.2 is now released: https://t.co/VDgPLoraAk
Basic support was added for 20.2.0, and USB 3.0 support was fixed for 20.1.0+.
Sorry for the delay, I was swamped irl the last days.
That said, I hope you all enjoy! :)
— Michael (@SciresM) July 16, 2025
に対応したAtmosphereです。
変更点は20.2.0の基本的なサポート、USB 3.0が強制的に有効化されてしまう不具合の修正、その他安定性向上となっています。
20.2.0リリース当日からAtmosphereのソースコードコミットが始まっていたので「まもなくAtmosphereアップデートがリリースされるはず」とお伝えしました。翌日の7月16日かなと思っていましたがもう1日かかりました。理由は単純で、SciresM氏が「ここ最近忙しかった」。SciresM氏に完全に頼ってしまっている状態です。
Atmosphereのコミットの履歴を探っていくと、実際SciresM氏にほぼ依存している状態であることが分かります。2024年7月11日にhexkyz氏がコードをコミットして以降ほぼ1年の間(Atmosphere 1.8.0以降に相当します)SciresM氏だけでやってる状態です。
ただし、実は今回USB 3.0の修正はlsp199308氏がコードをコミットしてSciresM氏がマージしています。久々のSciresM氏以外のメンバーによる作業でした。Contributorには75人登録されていますが、ここ5年くらいはほぼSciresM氏だけで作業しているのが現実です。
これまであらゆるゲーム機でそうでしたが、次世代機にバトンタッチした旧世代機はファームウェア更新頻度が格段に落ちるものでした。しかしSwitch 1のファームウェアはSwitch 2と同一バージョンで同時リリースされてます。これが続くとすると、Switch 2が現役でいるかぎりAtmosphereの更新を続けなければいけないことになってしまいます。
Switchのカスタムファームウェア更新作業を個人作業に完全依存はシーンにとっては今後厳しい状態に置かれる(SciresM氏が作業できなくなったら更新が滞る)可能性が否定できないので心配です。