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海賊版ROMをフライング入手してエミュレータでストリーミング配信していた一個人を任天堂が提訴

Torrentfreakで、任天堂が発売前のゲームの海賊版ROMを入手してゲームプレイ動画をストリーミング配信していた人物を米コロラド州の連邦裁判所に提訴したことを伝えていました。

任天堂に提訴されたのはEveryGameGuruの名前でYouTubeやTikTokなどのプラットフォームに動画を配信していたJesse Keighin氏です。任天堂が、一般の動画配信者1人を狙い撃ちして提訴したことになります。

Jesse Keighin氏が何をして任天堂の逆鱗に触れたかというと

・発売前にネット上に流出した海賊版ROMを入手してSwitchエミュレータyuzuでプレイし、その動画をストリーミング配信してマネタイズ
・海賊版ROMを使ったストリーミング配信は少なくとも10本、50回以上
・yuzuなどのSwitchエミュレータの入手先リンクを公開するのみならず海賊版ROMや海賊版を起動するためのツールの入手先リンクも公開
・任天堂は何度もDMCA削除通知を出しYouTubeとTwitchがそれに応じてJesse Keighin氏のチャンネルを閉鎖したが、すぐ別アカウントで再開するいたちごっこ。しかも任天堂に「アカウント1000あるのでいくら閉鎖しても永遠に続けれらるから無駄」といった挑発メールを送っていた

聞いただけでも「そりゃあかんだろ」という行為をひたすら繰り返していたことが分かります。

yuzuをはじめとしたSwitchエミュレータで海賊版ROMを起動する時点でプロテクトを解除していることになるため、Switchエミュレータは暗号鍵を使用して海賊版がプレイできないようにしてあるセキュリティを回避してゲームがプレイできるよう設計された違法なエミュレータとして認定されてしまっています。

そのyuzuを使って海賊版ゲームを入手してプレイしていることまで公にするどころか、それを推奨する行為をするなど、Jesse Keighin氏は完全に任天堂を挑発しているとしか思えません。

本来エミュレータ自体は違法ではありませんが、残念ながら裁判でyuzu側が任天堂と和解に応じたことからSwitchのエミュレータは違法と事実上認定されてしまっています。そこにきて、Jesse Keighin氏の任天堂への挑発行為の結果の提訴はゲームシーンの自由度を法的にさらに制限することに繫がる可能性があります。

明らかな違法行為が処罰の対象となることには異論ありませんが、捉え方によっては違法行為と見なされる可能性があるレベルまで次から次へと提訴されるようなことになると、結果あれもだめこれもだめとなり最後にはゲーム機の画面に”Hello World”と表示させただけで「認められていない非署名コードの実行は(禁止ではなく)違法」として処罰の対象となる時代だけは迎えたくありません。

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