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老舗クラシックゲームROM配信サイトに任天堂やセガが削除要請 アレの影響

Kotakuで、任天堂やセガが長年に渡ってクラシックゲームROMを配信していたサイトにコンテンツ削除要請をしたことを伝えていました。

過去のコンソール向けクラシックゲームをアーカイブして配布しているVimm’s Lairは1997年に開設されたサイトです。

対象コンソールは1977年発売のAtari 2600や1983年発売のファミコン、1987年のマスターシステムといったクラシックコンソールからPS3、Wii、Xbox 360まで、携帯機もゲームボーイからPSPまで揃っており、ゲーム自体がダウンロードできるようになっています。

現在は手に入らないクラシックタイトルというと聞こえはいいですが、著作権はそれぞれのゲームのパブリッシャーが持っているので海賊版の違法コピー配布と何ら変わりはありません。

そのVimm’s Lairが公式サイトで以下の声明を発表しました。

任天堂、セガ、レゴ、ESA(エンターテインメントソフトウェア協会)からVimm’s Lairに対してクラシックゲームを配布しているThe Vaultからゲームを削除するよう要請されました。これらのゲーム(とプレイするためのハードウェア)はすでに何十年もの間販売されていないものですが、権利は彼らが持っているためこれらのゲームは永久になくなりました。

1997年から開設されていたサイトに今になって削除要請が届いた原因は、AppleがAppStoreでエミュレータの配信を許可したことにありそうです。

AppStoreにエミュレータが登場して話題になったことで、エミュレータで起動させるROMを求めて無料で配布しているサイトにユーザーが殺到、著作権を所有している側が今までは削除要請せず見逃していたもののついに無視できなくなった、というところでしょうか。

エミュレータ自体は昔から存在し、iOSデバイスでもJailbreakすればエミュレータインストールは可能でした。更にはiOSでなくエミュレータインストールのハードルがなかったAndroidやPCならエミュレータは最初から利用可能でしたので、そのエミュレータで起動することを目的としてROMを配布していることが削除要請の理由ならもっと以前から動きがあってしかるべきです。

このタイミングでROMの削除要請があったということは、考えられる理由はAppleのエミュレータ配信しかありません。

実際Vimm’s Lairは、App Storeで配布されているNES/SNES/Nintendo64/GB/GBA/DSエミュレータDeltaがリリースされた後Vimm’s Lairへユーザーが殺到し、トラフィックの急増に耐えきれなくなったサーバーがメモリ不足を引き起こしクラッシュしていることを発表しています。四半世紀サイトを運用してきたにも関わらずですから、余程アクセスが殺到したのでしょう。

どうやらiOS向けエミュレータがすべての環境を変化させてしまったようです。iOS向けのエミュレータが、というよりもエミュレータの存在を初めて知った一般ユーザーにそれを認知されてしまったことが、と言った方がいいかもしれません。

このブログを読んでいるような方はエミュレータがAppStoreで配信されたことは「Jailbreakしなくても良くなった」程度でしかなく、ましてや「わざわざiPhoneでプレイしなくても」と思っている方にとってはささいな出来事でしかないでしょう。しかし実際にはAppStoreでエミュレータが配信されたことで任天堂、セガ、レゴ、ESAが削除要請に動くという大きな変化をもたらしました。

なお、Vimm’s Lairから全てのゲームがなくなったのかというとそうでもなく、なぜか日本向けタイトルだけは残っていたりします。

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