GitHubで、SciresM氏がFusée Gelée(NVIDIA Tegraプロセッサの脆弱性を利用し起動時に任意のコードを実行するcoldboot exploit)を利用して起動することができるNintendo SwitchのカスタムファームウェアAtmosphère 0.13.0をリリースしていました。
Atmosphère 0.12.0は、その後リリースされた10.0.3と10.0.4でそのまま利用できていました。そのためしばらくアップデートされていませんでしたが、10.0.4を内部的に正式にサポートする形でアップデートされました。正式といっても10.0.3と10.0,4を認識するようにしたという程度で、そこに機能的な違いはありません。
その他の変更内容として、exosphèreと呼ばれる、AtmosphèreのSecure MonitorというセキュリティアーキテクチャTrustZoneへのアクセスに関する仕組みのようなものを一新したようです。
exosphèreはAtmosphère開発当初にC言語で書かれており、他のAtmosphèreのコード体系とは異なっていたようで、時が経つにつれメンテナンスが困難になってきたことなどを変更の理由として挙げています。
exosphèreは旧バージョンと互換性がないため、hekateでAtmosphèreを起動する場合にはhekateのアップデートを待つよう指示があります。
新しいexosphèreをサポートしたhekate – CTCaer mod v5.3.0 & Nyx v0.9.2がAtmosphèreの正式リリースより先に出ていますので、そちらを使用するようにして下さい。
また、今後の展開を見定めてMariko基板での起動をサポートするべく準備が始まりました。実際にAtmosphère 0.13.0でMariko基板のSwitchでの起動をサポートしているわけではありませんし、そもそもハードウェア的に起動させるための手段がSX Core/SX LiteのMODチップ実装以外に現時点ではありませんが、MarikoハードでのAtmosphèreサポートは今年の夏には実装できる見込みのようです。おそらくSX Core/SX Lite使用前提か、今後出てくる可能性があるwarmboothax(システムの脆弱性を利用するもの)前提ではないかと思います。