ニンテンドーオブアメリカがTeam Xecuterの製品を販売するリセーラーを訴えたことから、販売代理店側がちょうど予約を受け付けていたSwitch向けMODチップ SX Core/SX Liteのキャンセルに動き出しています。
この動きに対してTeam Xecuterが販売代理店側と情報共有をしているのかどうかは定かではありません。少なくとも外から見ている限り動きは見えません。予約を済ませていたユーザーが、Team Xecuterから一切コメントがないなどの不満をTeam Xecuterの公式フォーラムに不満を書き込んでいるのも見受けられます。少し現状を調べてみました。
まず、Team Xecuterの公式販売店リストへ片っ端からアクセスしてみましたが、サーバーにアクセスできなかったりドメインを手放してしまっていたりといったところが目立ちます。
一方でSX Pro/SX Liteのページだけ削除して404になっているところもあれば、普通に今でも予約を受け付けているところもありました。予約を受け付けているところはおそらく普段からあまり管理されていないだけかもしれません。裏を返せば信用できないサイトという見方もできます。
日本の販売代理店は2つリストに掲載されていますが、1つは2018年のクリスマスモード全開のトップページのまま、1つはドメインの期限切れ(今回の件で逃げた?)でした。
直接運営者が訴えられたUberChipsは実は正規販売店リストに載っていませんでした。一方で複数の販売店が訴えられていた訴状に掲載されていたのは販売代理店のリストに掲載されていたところでした。この違いが2つの訴訟になっている理由に繫がっているのでしょうか。
もちろん訴訟自体はアメリカの話でそれ以外の国の販売店は関係ありません。ただ、一概に無関係と言えないのは、訴状に具体的にTeam XecuterだのSX OSだのSX Proだのと記載し、同じ製品を販売する他国の販売店へ無言の圧力をかけている任天堂の存在があるからです。アメリカ以外の販売店でサイト自体を消してしまったりドメインを期限切れにするサイトがあるのはそれが理由でしょう。
UberChipsはサイトに予約のキャンセルと返金を明記しているのでまだましな方です。訴えられていない販売代理店には、なんとかして販売しようと手段を模索しているところもあるようですが、中にはこんな状況になってもさっさと予約の入金だけさせようとする悪徳業者もいるようです。
フォーラムに出ている特徴的なコメントを拾ってみました。
NX-card.comはサイトが繫がらないのでメールしたら返事が返ってきて、別のサイトを用意しているので予約を尊重するから心配ない、そうじゃなければTeam Xecuterからの指示で対応すると言ってきた。
1月にUSAchipss.comで予約したんだけど、昨日(実はこの昨日と言っている日に訴訟が起こされている)最終的に金を払ったらセキュリティ基準満たしてないとかで支払いがエラーになった。そしたらUSAchipssはデビットカードの写真送れと言ってきたんだが。
自分もUSAchipssからデビットカードの写真よこせと言われた。カードのセキュリティ基準満たしてない理由聞いても答えてくれない。あそこは信頼できない。
UberChipsからメール来た。注文キャンセルで払い戻すって。
UberChipsはそもそも現時点でTeam Xecuterから何も受け取ってないから在庫ないので予約キャンセルで返金するって。訴状だとUberChipsとTeam Xecuterが名指しだから出荷されることは多分ないと思う。
Team Xecuterがいまだに何も公式発表しないのは信じられん。
実は予約したと思われるユーザーの書き込みはそんなに多くない印象です。SX Core/SX LiteはハードウェアMODで分解およびハンダ付けが必要というところで、どの程度の改造なのかが見えない段階で手を出そうとしたユーザーがそもそも多くはなかったのではないかと予想しています。
個人的には、最後に紹介したコメントがすべてを物語っているのではないかと思っています。私もTeam Xecuterが何かコメントするのを待っておりましたが、フォーラムへの書き込みもなければサイトでの発表もありません。ユーザーから予約を受け付けると直接公言していた以上、今の状態は無責任です。
一時期一世を風靡し、普通の一般店舗(ドスパラとか)でも販売していたNintendo DSのFlashcart(いわゆるマジコン)も、任天堂の法廷闘争の結果表舞台から消えました。ほとぼりが冷めた頃からぼつぼつとネット販売をこっそり再開しているところもありますが、そういうところはだいたい売るものが他にないのでTeam Xecuterの製品を扱うようになっており、今任天堂の法的ターゲットにされています。
Team Xecuter自体最近出てきたチームではなくXbox 360向け製品の時代から存在する、どちらかというと老舗的なところはあります。チームが存続していた期間を考えると信頼するに足らないということは決してないはずですが、現状任天堂から名指しされたTeam Xecuterとしてコメントを出すこともなく、完全に雲隠れしてしまっています。
もっとも、彼らの今までのSwitchシーンでの取り組みを見る限り、任天堂の法的措置に対する予防線をほとんど張らずに(自ら直接販売しないようにしていたことくらいか?ただ昔から彼らはそうしてきたので…)ここまで来ているので、今は逃げるしか手がないようには見えます。もし仮に本当に無防備でここまで来たのだとするとXboxシーンからSwitchシーンに移ってきたTeam Xecuterの歴史はここで終了するかもしれません。