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Nintendo Switch「値下げは予定していない」

任天堂が、11月1日に開催された第2四半期決算説明会の中で現時点でNintendo Switchの値下げは予定していないことを公表していました。

通常ゲーム機というのはモデルライフの途中で値下げをすることで需要を喚起して販売台数の上積みを目指すのが定石です。

開発コストの回収や製造コストの削減がその原資となりますが、Nintendo Switchで任天堂は新しい取り組みをしているように感じます。

決算説明会の中で株主(記者かもしれませんが)から、安価なNintendo Switch Liteが発売されたので、Nintendo Switchは値下げの必要がないのではないかとの質問に対し、任天堂の古川社長は以下のように答えました。

私たちは、できる限り製品の価値を維持し、現状の価格で⻑く売っていきたいと考えていますので、現時点で値下げについては予定していません。

Switchの販売は好調を維持しているため、今値下げを公言する必要性は皆無ですし、値下げに言及することで買い控え等の悪影響を及ぼしますから値下げするなどという計画は仮に存在していたとしても任天堂自身が口にするはずはありません。

従って古川社長の発言は経営者として当然の内容ではありますが、私は任天堂がSwitchで試みているトライアルが良い結果を出している成果なのではないかと考えています。本当のモデルライフ終盤はともかく、まだ数年は本当に値下げされることなくこのままの価格で販売される可能性が高いでしょう。

トライアルとは、ゲーム専用機として初めて1台で据え置きゲーム機と携帯ゲーム機という二つの相反するコンセントにまとめ上げたことを指します。

本来なら値下げされてもおかしくない時期に、任天堂はSwitchから据え置き機の機能をそぎ落としモニターサイズを小型化しコストダウンを図った安価なSwitch Liteを発売して値下げと同様の効果を生み出しました。

少し遅れて発売された「バッテリー持続時間を長くした新型Switch」は旧型から見た目を変えず価格もそのままでした。

ハッキング対策で基板が変わったモデルは過去にも存在していました。新型としては販売されない「サイレントアップデート」モデルですが、化粧箱以外で区別が付かない本当の「新型」というのは今までのゲーム機の歴史では存在していません。もっとも、新型Switchは単なるハッキング対策モデルであり、SoCがMarikoに変わったことによる低消費電力化をわざわざ新型として売り出しただけである可能性は否定できません。

本来なら「バッテリー持続時間を長くした新型Switch」発売のあのタイミングで値下げをする戦略も取れたはずですが、任天堂はそうしませんでした。あの時から私は、任天堂がSwitchでは値下げによる商品力維持をしないつもりではないか、と思い始めました。今回の古川社長のコメントでその予想が確信に変わったことになります。

SwitchがLiteモデルなら2万円を切った価格(税抜きですが..,)で購入できるというインパクトは絶大です。値下げと同等の効果はあります。このような状況がSwitchを値下げしないで販売を続けるという任天堂の戦略に繋がっているのでしょう。ゲーム機というのは待てば待つほど安くなると思ってSwitchの購入時期を見極めていたユーザーには残念なお知らせかもしれません。

え?誰ですか?Fusée Geléeのせいで余分にかかった計画外の開発コストが新型Switchに上乗せされてるだけだなんて言う人は。

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