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日経 「任天堂が秋にSwitch小型廉価版発売」

日経で、任天堂が今年の秋にもSwitchの小型廉価版を発売すると伝えていました。


今回の日経の話はThe Wall Street Journalが伝えた、任天堂が早ければ今年の夏にもNintendo Switchの新型モデルを2種類発売するとの情報と、Eurogamerが伝えた、2種類の新型Nintendo Switchは正統進化版と携帯モード専用版との情報を補完する内容です。

日経記事の内容は任天堂の今後の行く末を現状の解析から導き出し、どちらかというと「このままだと沈みゆく任天堂」という論調で書かれていますが、アナリスト的な記事はひとまず置いておいて、過去に何度も任天堂に関するすっぱ抜き記事を出してきた日経らしからぬ、記事本文中にさらっと「何その情報マジで?」ということが書いてありました。(あ、それ程でもないか)
それが、Nintendo Switchのモデルチェンジ情報です。

任天堂は主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の小型廉価版を今秋にも発売する。屋外に持ち出す携帯型としての機能がメーンだが、テレビにつなぐ据え置き型としても遊べる。関係者によると、携帯型、据え置き型の2機種を併売してきた30年来の戦略を見直し、ソフト開発部門も一本化する検討を進めている。

スイッチも小型廉価版の次は、現行機をフルモデルチェンジした次世代機の開発が控える。操作性や映像表現の向上、基本ソフト(OS)の変更など、様々な試行を繰り返しているとみられる

The Wall Street Journalの言う正統進化版は、コストを下げた小型版、おそらくはSwitch Slimと呼ぶことになる可能性のあるバージョンになろうかと思います。携帯型をメインにするようです。

時期についてはThe Wall Street Journalと日経とでは違いがあるものの、ターゲットが今年の年末商戦なのは同じだと言えます。

Switchの次世代機については初めて情報が出てきましたが、任天堂がゲームハードから撤退でもしない限り必ず存在する話ですので驚くべき内容とはなりません。

ただ、日経の情報はその小型版一種類の話だけで、Eurogamerも伝えたもう一種類の携帯専用版については言及されていません。

もう一種類についてと同一の話ではないとは思いますが、Engadget 日本版が任天堂は自社製スマートフォン発売を検討中ではないかと報じています。

話のベースは台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesが報じたものです。任天堂がゲーミングスマホ市場への参入を検討しており、更にはNintendo Switchと統合できるゲーム用スマートフォンの発売を検討中との情報があり、場合によっては任天堂製スマートフォンか?という「?」が付くレベルの記事ではあります。

その話を携帯専用版Switchとの情報を結びつけると、短絡的憶測に過ぎませんが任天堂がSwitch互換スマートフォンを発売するという話になってしまいます。

ここからは個人的考察になりますが、かつてのVitaの3G/Wi-FiモデルのようにSIMカードスロットを持つSwitchであれば可能性もなくはありません。ただスマートフォンとなると現実的にはAndroidをOSに採用せざるを得ずSwitchとは関係のないモデルということになります。

あのマイクロソフトですらWindow Phoneという独自OSを載せたスマートフォンを発売して撤退している現実や、コスト競争に敗れて日本のスマートフォンメーカーが続々とスマートフォン事業から撤退してしまった事実を見た上で独自OSないしはAndroidを使ったハードウェアを発売するという決断を今の任天堂ができるかのというと、大きな疑問が残ります。

スマートフォンでは任天堂が持つIP(知的財産)を収益化する方向にシフトしている任天堂の戦略とは相容れないベクトルですので、おそらくスマートフォンを発売というのはあり得ないでしょう。スマートフォン事業を柱にするのは任天堂の事業内容と企業規模にはそぐわない戦略です。

先述したとおり、あるとすればSwitchを携帯専用にアレンジし、SIMカードスロットをビルトインした「どこでもスイッチオンライン」対応モデルではないでしょうか。ただしそれにより製造コストが上がるため、2DSのような立ち位置のSwitchのエントリーモデルを目指すことにはならなくなります。

ソニーが失敗してやめてしまったSIM対応携帯ゲーム機にチャレンジするのもユーザーとしては面白いと思いますが、現実問題としてオンラインを外でやりたいならスマートフォンのテザリングで事は足りてしまいます。それよりはWi-Fiだけにしてコストアップを最小限にとどめておく方がメリットが多いでしょう。

任天堂は据え置きゲーム機と携帯ゲーム機の二本柱戦略を見直すという日経の記事が事実だとすると、少なくとも任天堂のスマートフォンというのは単なる憶測の域にも達しないはずです。

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