GitHubで、SciresM氏がFusée Gelée(NVIDIA Tegraプロセッサの脆弱性を利用し起動時に任意のコードを実行するcoldboot exploit)を利用して起動することができるNintendo SwitchのカスタムファームウェアAtmosphère 0.8.3をリリースしていました。
SciresM氏がリセットモードを実装したAtmosphèreについてCTCaer氏の協力のおかげでほぼ完成し、fusee/hekate/memloader等すべてのRCMペイロードで動作する状態で近くリリースするとツイッターで公表していました。
Kinks: pretty much all worked out. Huge thanks to @CTCaer for helping me work out the problems :)
Expect a June 15th coming soon with support for this (fusee/hekate/memloader/any other RCM payload will all work): https://t.co/g9BcOk59Cn— Michael (@SciresM) January 24, 2019
June 15thは6月15日のリリース日かと思ってましたが、もしかしたら固有名詞じゃないかと思った矢先のAtmosphère 0.8.3リリースでした。
公式にはこれをカスタムwarmboot(ウォームブート)ファームウェアと呼んでいます。ウォームブートとは電源を切らずにソフトウェアのみ再起動するという意味で、ファームウェア自体の起動にかかる時間を省略できます。ただしファームウェアアップデートのたびに焼かれるというfuseをチェックすることでダウングレードを検出してシステム起動をブロックするfuseチェック対策にはならないそうです。
また、NANDダンプデータを使ったダウングレードの際のスリープモードの不具合も併せて修正されています。
Atmosphère’が唯一依存していた任天堂公式の暗号化されたPK11ライブラリというものを、ようやく別で実装することに成功して依存関係がなくなったことも併せて発表されています。起動時のプロセスに関することだけだと思いますが、オリジナル部分に依存するところは少ない方がより良いので大きな進歩でしょう。
その他バグ修正や改良など細かく変更されています。全部訳すのが面倒なので省略、機能が増えた大事なところだけにしました。ご了承下さい。