ツイッターで、naehrwert氏がSwitch向けbootloader/package1のリプレイスペイロードhekate_iplをリリースしていました。
hekate_iplはbootloader/package1をリプレイスするペイロードだそうです。先日
naehrwert氏がリリース予告していたものがこのhekate_iplになります。
Switchbrew Wikiによるとこのpackage1というのは
「ファームウェアパッケージタイトルとして存在し、eMMCストレージのブートパーティション0および1にインストールされているもので、NVIDIAのブートプロセッサの配下で起動するSwitchのブートローダ(システムに電源を投入してからOSガ起動するまでの処理を行うプログラム」
という、要するに起動の仕組みを入れ替えてしまうものということになります。カスタムファームウェア起動も可能になります。
ただし残念ながら(現時点では)Switchの v2.0.0以下のファームウェアでないと起動しません。万が一に備えてeMMCのダンパー機能を備えています。バックアップを取らなくても致命傷にはならないユーザーパーティションはスキップして他のeMMCパーティションをバックアップするには5分程度かかるそうです。
naehrwert氏はGitHubでhekate_iplのソースコードも公開しています。
ちなみにhekateというのはギリシア神話の女神の名前です。iplは、電源投入後の最初に実行されるプログラムのことです。
naehrwert氏がhekate_iplと名付けたのは「Switch起動直後に実行される神プログラム」という意味合いを込めたのかもしれません。
naehrwert氏のリリース後、hekate_iplのMOD版がいくつかリリースされてます。主にnaehrwert氏のhekate_iplで省かれているものを追加した仕様になっています。
・rajkosto氏のより高速にダンプできるようSDカードを128KBクラスタサイズのexFATでフォーマットするようにしたhekate_iplのMOD版hekate MOD
・CTCaer氏の全NAND(USER/BOOT0/BOOT1パーティション)をダンプするようにしたhekate_iplのMOD版hekate MOD
・sweetlilmre氏のexFATをサポートしメニュー設定で全NANDのダンプにも対応するようにしたhekate_iplのMOD版hekate MOD