Eurogamerで、『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』と『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』は全く同じハードウェアを流用していると伝えていました。
2016年11月10日に発売された『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(以下、ファミコンミニ)は市場に出回るほど潤沢な在庫を見ないまま一旦生産が打ち切られ、代わりに『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』(以下、スーファミミニ)が2017年10月5日に発売されます。価格はファミコンミニが5980円でスーファミミニが7980円。価格差は2000円ありますが、なんと、両者の差はガワとコントローラーとソフトウェアのみだったことが明らかになりました。
もともとEurogamerではファミコンミニとスーファミミニは同じプラットフォームを使っているのではないかと予測していたそうですが、スーファミミニを分解してマザーボードの写真をツイッターに公開したChiimaero氏のツイートでその予測が正しかったことを確認したとしています。
Snes mini "mini teardown"
Same hardware as the NES mini #snesmini #SNESClassicMini pic.twitter.com/DI6C6E9iXz— Chiimaero (@Chiimaero) September 26, 2017
マザーボードは共通。ファミコンミニのマザーボードの角の形状はシェルに収まるようになっていましたが、その形状すらスーファミミニでも変わらず同形状です。SoCも同じでメモリモジュールの256MB DDR3も同じ。
つまりはファミコンエミュレータもスーパーファミコンエミュレータも同じハードウェア、同じプロセッサ、同じメモリと同じストレージの同じポードで動作していることになります。違いはエミュレータのソフトウェアのみ。従ってOSも同じと言うことになります。
ただし、スーファミミニに関しては実装されているタイトルからStar Foxなと一部のカセットROMで使われていた特殊チップのSuper FXやSuper FX2チップ、SA1チップ、DSP-1チップなどもエミュレートしており、この辺りが2000円の価格差として現れているようです。
ここまでの情報で、ファミコンミニの再生産が実はハードルが低いことが見えてきてしまいました。見た目の形状にこだわらなければファミコンミニとスーファミミニの両方を所有すること自体、実はコレクション以外の目的が見出せないことになります。少し残念です。
同じハードウェアならファミコンミニでもスーパーファミコン用特殊チップをエミュレートすることは当然可能なわけで、ハッカーのターゲットにされるのは発売前から時間の問題となりました。
既に現時点でスーファミミニのハックが始まっており、HackinformerではスーファミミニのNANDダンプをHakchi2使って入手しファミコンミニで動作したという情報や、そもそもNANDダンプ自体もそんなに変わっていないなど、聞けば聞くほど中身は同一という話ばかりが見えてきます。
理由は分かりませんが、スーファミミニのカーネルダンプデータの容量は2,736,128バイトで、ファミコンミニの2,826,240バイトよりも小さくなっています。
任天堂もすぐにハックされることを予測していた節があり、NANDの中の/etcディレクトリにあるninetiesというフォルダ内のデータに
「ミニをエンジョイして90年代に戻ろう」
などと書かれた文字列まで見つかっているそうです。
また、スーファミミニに内蔵のゲームをダンプしてみると、なんとダンプしたStar Fox 2が本物のスーパーファミコンで動作したこともRedditで報告されています。
このままだと、ファミコンミニかスーファミミニのどちらかさえ所有していれば80年代も90年代も両方楽しめるようになるかもしれません。ダンプデータの第三者との共有は著作物なのでそれをやるとクロですけど。