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VitaのeCFW 6.61 Adrenaline by TheFloW

ツイッターで、TheFloW氏がPS VitaのePSPカスタムファームウェア6.61 Adrenalineをリリースしていました。
数日前の話ですが、ちょっと忙しくて記事か書けませんでした。たくさんの方にコメント欄で情報をいただいていたのに申し訳ありませんでした。日本語の記事を待望してくださっている方がいらっしゃるので、今更感満載ですが記事を公開します。

まず、Adrenalineとはなんぞや、については過去記事をご覧ください。
ePSPのeCFW 6.61 Adrenaline by TheFloW(開発中:リリース日未定)
カスタムIPLで起動するePSPのCFW Adrenaline

リリース日がそんなに近々だとは思っていなかったので、本人も言ってますが2日前の金曜日リリースは、正にサプライズでした。

とりあえず、TheFloW氏の上記ツイートのリンク先はreadmeなので日本語に訳してみます。

——————————————-
– 6.61 Adrenalineとは –
PS VitaをPSPとVitaの2in1デバイスにするためのソフトウェアです。

– 今回のリリースについて –
もうすぐテストがあるので、予定より早くAdrenalineをリリースすることにしました。 そのためVitaシーンのために費やせる時間があまりないのが現状です。 今後は2月までは休養し、その後復帰したらAdrenalineの残りの機能の実装をしようと思っています。残りの機能って?そう、今回のAdrenalineには以前にお話ししていた全機能が実装されているわけではありません。色々追加する前に安定版のv1として公開したかったというのが今回の予定より早いリリースの理由です。

以下の機能がv1では実装されていません。
・64MB RAM
・PS1ゲームのサポート
・メモリースティックのファイルシステムとしてのur0(Vitaの内蔵メモリーで、メモリーカードと同様の構造を持つユーザーデータ保存領域)の使用
・ステートセーブ

上記は単なる追加機能でしかないため、基本機能含めた他の機能は現時点で全て動作します。

2月までは休養しますが、その間でもバグ修正については対応しますのでご理解ください。

– Adrenalineとは? –
AdrenalineはtaiHEN CFWフレームワークを用いた、公式PSPエミュレータをモディファイするソフトウェアで、PSPの6.61カスタムファームウェアの実行を可能にします。taiHENのおかげでAdrenalineは起動時に非署名コードを実行できるようIPL(Initial Program Loader: 起動時に実行されるプログラムローダー)にコードを挿入することが可能になりました。

– Adrenalineが現時点でサポートしているもの –
Adrenalineは実際のPSPのCFWが持っていたほとんどの機能を有しています。
– XMB
– ISO/CSOサポート
– Homebrewサポート
– プラグイン
– Vshメニューとリカバリーメニュー
など

– AdrenalineとTN-Vの違い(Adrenalineにだけあるもの) –
– PS + STARTボタンでのスクリーンショット撮影機能
– PSボタンをHOMEボタンとして使用する機能
– カスタムグラフィックフィルター機能
– カスタムmsfsによりファイルシステム制限なし

– Adrenalineのインストール方法 –
1) PSPのゲーム(体験版でも可)をVitaにインストールする(PS1ゲームバブルには将来対応予定)
2) Vitaを再起動し、ブラウザでhttp://beta.henkaku.xyz/にアクセスする
3) molecularShellを起動し、STARTボタンを押して’Enable unsafe homebrews’を’On’にする
4) Vitaをもう一度再起動し、molecularShellからVitaShellをインストールする
VitaShell: https://github.com/TheOfficialFloW/VitaShell/releases
5) VitaShellを起動し、SELECTボタンを押してFTPを開き、アーカイブにある’adrenaline’フォルダをコピーして’ux0:pspemu/’にペーストする
6) 6.61のアップデータEBOOT.PBP(PSP-1000/2000/3000シリーズ用の方)をソニーのサーバーからダウンロードし、661.PBPとリネームした状態で’adrenaline’フォルダ内(”ux0:pspemu/adrenaline/’)に配置する
http://www.jp.playstation.com/psp/update/ud_04.html
7) ‘ux0:tai/config.txt’をPCにコピーし、下記のテキストを追加する

*KERNEL
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.skprx

*TITLEID
vs0:sys/external/libpgf.suprx
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.suprx

具体例として、config.txtは以下のようになる。

# You must reboot for changes to take place.
*KERNEL
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.skprx
*main
# main is a special titleid for SceShell
ux0:app/MLCL00001/henkaku.suprx
*NPXS10015
# this is for modifying the version string
ux0:app/MLCL00001/henkaku.suprx
*TITLEID
vs0:sys/external/libpgf.suprx
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.suprx

注意: 上記のTITLEIDの部分はVitaにインストールしたPSPゲームのタイトルID(EBOOT.PBPが入っているフォルダ名)にする必要がある。タイトルIDがNPJG00034の場合のconfig.txtは以下のようになる。


# You must reboot for changes to take place.
*KERNEL
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.skprx
*main
# main is a special titleid for SceShell
ux0:app/MLCL00001/henkaku.suprx
*NPXS10015
# this is for modifying the version string
ux0:app/MLCL00001/henkaku.suprx
*NPJG00034
vs0:sys/external/libpgf.suprx
ux0:pspemu/adrenaline/adrenaline.suprx

[参考]
TheFloW氏はPSPタイトルとしてLocoRocoのデモ版を使ったようです。日本のストアからダウンロードするのであればLocoRoco -Midnight Carnival- 体験版でしょうか。その場合のゲームのタイトルIDは
NPJG00034
になります。上記ウェブサイトのURL内にタイトルIDが埋め込まれていますので、タイトルIDがわからない場合は参考にしても良いでしょう。
なお、config.txtはプラグインの設定ファイルです。
また、#の行はコメント欄ですので実際にはテキストとして#の行は丸ごとなくても動作には問題ありません。

8) Vitaを再起動し、再びブラウザでhttp://beta.henkaku.xyz/にアクセスする
9) インストールしてconfig.txtにタイトルIDを記載したPSPゲームを起動する。
10) ‘Press X to install the PSP 6.61 Firmware on your Memori Card’
(メモリーカードにPSPの6.61ファームウェアをインストールするにはXボタンを押してください。)
と出るので、画面の指示に従いXボタンを押す。
11) インストールが完了すると
‘The Firmware has been installed successfully. Press X to boot the PSP XMB.’
(ファームウェアのインストールに成功しました。PSPのXMBを起動するにはXを押してください。)
と出るので、画面の指示に従いXボタンを押す。
12) PSPの初期設定画面が表示される→Enjoy!

– Adrenaline Menuの使い方 –
PSボタンを押し続けると’Quick menu’が表示されるので、’Settings’を選択するとAdrenaline Menuを開くことができる。公式の設定メニューはAdrenaline Menuから開くことができる。Adrenalineだけの特徴としてPSボタンをHOMEボタンとして使用する機能があると先に述べたが、そのためPSボタンを押してもLiveAreaには戻らないようになっている。そのためPSPエミュレータを終了するにはAdrenaline Menuで’Exit PspEmu Application’を選択する必要がある。

タブの切り替えはL/Rボタンで、上下移動はUP/DOWNで、XまたはLEFT/RIGHTで設定項目の変更を行い、STARTまたはOでAdrenaline Menuを終了する。

– カスタムグラフィックフィルターについて –
現時点では4つの設定が可能となっている。
・Official: 公式で用意されている設定
・Bilinear GPU: 少しスムーズに見える設定
・Sharp bilinear: 走査線追加によりシャープに見える設定
・LCD3x: 垂直及び水平走査線により画面が少し暗くなる設定

– ゲームプレイ中の右アナログスティックについて –
『Grand Theft Auto: Liberty City Stories』『Grand Theft Auto: Vice City Stories』で右アナログスティックを使うためのプラグインを
https://github.com/TheOfficialFloW/GTA_Remastered
で配布している。
現時点で右アナログスティックを有効にするプラグインはGTA向けのみ。上記プラグインもドイツ語版でしかテストをしていない。
‘gta_remastered.prx’を’ux0:pspemu/seplugins/’フォルダに配置し、’ux0:pspemu/seplugins/game.txt’に
ms0:/seplugins/gta_remastered.prx 1
を追記することでプラグインが有効になる。

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現在はC1-2858-3エラーが出る不具合とMinisをベースゲームに使えるようにしたadrenaline_fix2というのが最新版のようです。readmeの最下行に書いてあるのがダウンロードリンクになります。

基本的にはux0:pspemu/がメモリースティックのルート(ms0:/)だと思ってください。
ISO/CSOはms0:/ISO(実際にはux0:/pspemu/ISO)に保存することでバックアップゲームの起動ができます。
Homebrewはms0:/PSP/GAME(実際にはux0:/pspemu/PSP/GAME/)に保存します。
PSPのプラグインはms0:/seplugins(実際にはux0:pspemu/seplugins)に保存し、ms0:/seplugins内にgame.txtファイルを作成して
ms0:/seplugins/XXXXXX.prx 1
のように記述します。(PSPのプラグインの説明は省略しますが、テキストファイルにプラグイン本体の保存場所をフルパスで記載し、最後に半角スペースの後に1を書くことで有効化されます)

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