Wall Street Journalで、ソニーが2018年3月までにスマートフォン向けのゲーム5〜6タイトルをリリースする計画をしていることを伝えていました。
スマホタイトルを開発するのはPlaySationブランドを持つSIEで、日本向けにiOSとAndroid向けゲームタイトルがリリースされるようです。
ポケモンGOのヒットに触発されたのかどうかはわかりませんが、任天堂が『スーパーマリオラン』などの本格的なスマホ向けゲームタイトルを既に準備していることからソニーも同じスマホ向け”一般ゲーム市場”開拓へ舵を切ることにしたのでしょう。
“一般ゲーム市場”という表現をあえてしましたが、ソニーは過去に一度スマホ向けゲーム市場に「PlayStation Mobile」というゲーム配信プラットフォームを構築していました。既にサービスは終了してしまいましたが(Vitaの初代ネイティブハックRejuvenateがとどめを刺したのかもしれませんけど)、対応OSはAndroidのみな上に認証を受けたデバイスのみサポートという、かなりクローズドな環境でしか利用できなかったことから開発者からもユーザーからもほとんど受け入れられず、撤退を余儀なくされたサービスでした。その「PlayStation Mobile」での失敗を糧にしての、2度目のスマホゲーム市場参入になります。iOS向けにもゲームを供給するところが新しいですね。少なくとも日本ではAndroidのみならずiOSもターゲットにしないとブームを巻き起こせませんので正しい判断だと思います。
ソニーがPlayStation Mobileを始めても頑なに専用携帯ゲーム機にこだわり続けた任天堂とソニーとが、今や立場が逆というのは興味深いですね。
唯一心配なのは、今回のソニーのスマホゲーム市場参入がソニーの携帯ゲーム機戦略の大幅転換だった場合で、ソニーの「携帯ゲーム機」がスマホ向けゲームに置き換わってしまうとPS Vitaのような専用携帯機を今後ソニーは作らないかもしれない、というところでしょうか。スマホ向けゲーム市場はコンテンツはダウンロード配信専用という、PSPでもPSP goでもVitaでも成し得なかった環境が最初から用意されている理想的な市場ですからそこが今後の主力になっても不思議ではありません。
スマホゲームとは別にコントローラーを使うような本格的なゲームはPS4で、という住み分けは個人的にはアリだと思いますが、PSPから築いてきた携帯ゲーム機としてのPlayStationブランドがなくなるのはちょっと寂しいです。