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ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ発表におっさんホイホイ

任天堂が、手のひらサイズの筐体にHDMI出力を備えたファミコンのミニチュアゲーム機「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を発表していました。

任天堂が欧州市場でNintendo Classic Miniを、北米市場でmini NES Classic Editionを11月11日に発売することを発表した時に「なぜ日本にはないんだー!」と心の奥底で叫んでいた方は、きっと日本にはファミコンちっくなものが用意されるんだろうと密かに期待していたと思います。私もその一人でした。蓋を開けたら、まさにそのまんまの予想通りのものが発表されました。
「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」は、発表こそ遅かったものの発売は世界最速の11月10日。希望小売価格は5,980円(税別)です。

海外ではNES(Nintendo Entertainment System)として販売されていたファミコンは、動くゲームは一緒ですが見た目からしてファミコンとは別物でした。したがって北米と欧州はデザイン的には同じミニチュアNES(名称は異なりますが)が先に発表されたのです。

これが欧州版「Nintendo Classic Mini」

これが北米版。「mini NES Classic Edition」

海外で発表された時、正直羨ましく思いました。ところが日本人の心にはNESのデザインでは響かないです。だからこそ任天堂は日本のファン向けにファミコン筐体そのまんまのデザインの「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を用意してくれました。

30種類のゲーム内蔵(ゲームのラインナップは一部異なる)というのは海外版と同じです。モニター出力がHDMIで電源がUSBというのも同じです。一番大きな違いは”ファミコンのコントローラーが2個付いている”ところでしょうか。

海外版ではコントローラーが1個付属、本体にはWiiリモコンにつながるよう外部拡張コネクタが装備され、コントローラーはその端子に繋ぎます。つまり、コントローラー側はWii U/Wiiと同じコネクターとなっていますので、逆にWii U/Wiiに繋いでコントローラーとして使えるというおまけ機能がありました。日本の「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」にその機能がないのはちょっと残念です。

ところで、この「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」、若い方には魅力を感じてもらえる製品なのでしょうか

「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」はファミコンではできなかったステートセーブなどもできるようになっていますが、単にクラシックゲームがプレイしたいだけなら「VCとかエミュレータで十分じゃね?」

ですね。そう思います。でも、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の本質は…

子どものころ、熱狂したあの記憶が手のひらサイズでよみがえる!

このキャッチフレーズにつきます。ファミコンをリアルで遊んでいた世代をターゲットにしています。だから妙に実用性を有した”Wii U/Wiiのコントローラーとして使えるというおまけ機能”などいらないのです。

ファミコンが発売されたのは1983年。昭和58年です。当時ゲームは子供がやるもの、というイメージがありましたので、少なくとも大人までファミコンに熱中するような時代ではありませんでした。プレイしたとしても子供に付き合わされて、という程度です。今とは全く異なる時代でしたね。ということで、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」は昭和末期に小学生や中学生、高校生だった世代がターゲットです。今の30歳後半から50代前半といったところでしょうか。小学生の頃はファミコンなんてなかった、ファミコンは中学デビュー、という世代はすでに40代後半です。

そんなことを思いながら今朝新聞を読んでいたら、中日新聞(東京新聞)朝刊に毎週土曜に連載されている、今ネット界隈で盛り上がっている情報をネタにする「ネットで何が…」というコーナー記事(ライターはネットニュース編集者の肩書きで中川 淳一郎氏(@unkotaberuno)が担当)でちょうど「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」のことを取り上げていました。

その内容は、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」発表でネットが盛り上がったが、反応としての象徴的なコメントが「おっさんホイホイ」だというのです。ゴキブリホイホイみたいにおっさんがワラワラと引き寄せられるからだという…俺はゴキブリかよ。

ちなみに、今は子供だけでなく大人もゲームをプレイするのが普通な時代になっていますが、作る方も遊ぶ方も子供のころファミコンに慣れ親しんだ今の大人がファミコン後のゲーム業界を引っ張っていますから、当然です。
ゲームをすること自体を「ファミコンする」と普通に言っていた時代もありました。もはやゲームの代名詞でしたね。今も発行を続けている雑誌「ファミ通」も、昔の名前は「ファミコン通信」です。ファミコンが今のゲーム業界に与えている影響は絶大なのです。それを知っているおっさんが「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」にホイホイ捕まってしまうのはやむを得ませんので、みなさんの周りで「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を買ったと自慢しているおっさんがいたら、暖かい目で見守ってやってください。

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