Xbox Wireで、マイクロソフトのXbox部門トップのPhil Spencer氏がXbox 360の生産を終了すると発表していました。
2005年の年末商戦に発売されたXbox 360は昨年10周年を迎えていましたが、その半年後に生産終了を迎えることになりました。
さすがに10年を超えても生産を継続するのは困難であるため、Phil Spencer氏曰く「新たにXbox 360を生産することはしないという決断をすることになった」ということです。
Xbox Oneが海外で発売されてから間も無く2年半になります。既に販売の中心はXbox Oneに移っていますのでマイクロソフトにすれば早々にXbox 360を切り上げたいのでしょう。Xbox Oneに後方互換機能を搭載したことも、実機生産中止の決断の要因の一つであると思われます。
非常に残念なのは、ここ日本でのXbox 360は(後継機のXbox Oneも同じですが)ほぼ鳴かず飛ばずのままひっそり消えゆく運命になってしまったことです。モーションセンサーKinectは非常に革新的だったと思いますし、ブルーレイに規格競争で敗れはしたもののHD-DVDドライブがアクセサリーとして存在したことも特徴的だったと思います。
私の好きな『STEINS;GATE』も当初はXbox 360版しかなく、そのためだけにXbox 360を買うのもアホらしいので移植版が出るまで我慢を強いられたのも良い思い出です(結局iOS版をプレイしました)。
PCのOSではWindowsで圧倒的シェアを持ち知名度抜群のマイクロソフトでも日本のゲーム機市場ではなかなか市場に食い込めません。ですからXbox 360が生産終了と聞いて残念がる人もそんなに多くないと思います。
日本のゲーム機の歴史を見ると、ゲーム機がシェアを伸ばせるかどうかはドラクエの有無が最も大きな要因だったのではないかと思っています。だから海外では最も人気が高いゲーム機であるにもかかわらず日本では「ドラクエができない」という理由で(初代Xboxの時代から)敬遠されてきたのではないでしょうか。
ドラゴンクエストシリーズは、アニメや漫画=子供の文化というイメージが強い海外ではキャラクターデザイン鳥山明氏のドラゴンボール風画風から子供向けゲームという印象が強く、今で言うところの(昨年からアップルは発売日に並ばせるのをやめてしまいましたが)新型iPhone発売並みにドラゴンクエスト新作発売日になるとお祭り騒ぎになってきた日本とは人気度が全く異なります。
ドラクエのキラータイトルとしての機能は日本でしか効果がなかったと言えますが、マイクロソフトにとっては日本市場でそれの欠如は致命傷でした。残念ながらXbox Oneでもその流れが続いています。
ハッキング面では高度な技術を持つハッカーの台頭でDVDドライブ向けカスタムファームウェアiXtremeや光学ドライブエミュレータ、Jtag Hack、Reset Glitc Hackなど、どちらかというとハードウェアMOD系が非常に進んでいたという印象があります。その辺りは結構マニア心をくすぐったのではないでしょうか。
そんなXbox 360。サポートはしばらく継続されるものの、あとは在庫のみの販売になります。