GBATempで、Marionumber1氏がニンテンドーWii Uのカーネルexploitを発見し、現時点での成果を動画で公表していました。
どこがどう凄いのか、普通に見ていると流してしまいそうですが、ディスクから起動させている『Nintendo Land』のプレイ動画の一番最後で‘hello’という文字が表示されるところを‘Hello GBATemp’と表示させているというのがカーネルexploitによるハッキングの成果だそうです。
これはMarionumber1氏を始めNWPlayer123氏やHykem氏、Chadderz氏、Relys氏などがチームとして取り組んでいるもので、Wii Uのカーネルexploitを独自で発見したことを公表しているデモ動画ということになります。
Chadderz氏は”Cafiine”と呼ぶゲームに関するファイルのリプレイスを可能にするツールを開発しています。”Cafiine”を利用してゲーム内のテキストを書き換えています。
単なるテキスト書き換えだけを見るとぱっとしませんが、Wii Uのゲーム自体のMODだと捉えると普通にはできないことができていることが理解できると思います。
基本的にはブラウザのWebkit exploitですが、ユーザーモードに留まらないWii Uプロセッサの「完全なコントロールが可能」になるものです。完全なコントロールですからHomebrewの読み込みはもとよりLinuxのような他のOSの起動やゲームの改造なども可能です。
このハッキングのリリースはまだ先で目下開発中という状況だそうですが、とりあえず現時点ではこのexploitはWii Uの4.0.0から5.1.0(最新は5.3.2)までしか動作しません。動画でもニンテンドーネットワークにサインインするとアップデートを要求する画面が出ますので少なくとも最新バージョンではないことが分かります。Webkit exploit自体が対策されていなければ最新バージョンでも動作する可能性はありますし、「Wii Uのバージョンごとにまだチューニングが必要」かつ「新しいWebkit exploitを開発することが重要」という表現をしていることから5.3.2の最新バージョンを視野に開発をしていると考えて良いでしょう。
現在チームメンバーのRelys氏がこのカーネルexploitでHomebrew開発キット(SDK)を開発中です。SDKが公開されれば開発者はWii UでHomebrewアプリケーションを開発することが可能になります。LinuxなどのOS起動については調査中の段階でメド立っている段階ではありませんが、これらの成果を年内には公開したい意向ですのでWii Uシーンが大きく動き出す可能性が出てきたことだけは間違いなさそうです。