SCEJAが、PlayStation Mobileのコンテンツ配信を終了すると発表していました。
PlayStation MobileはPS Vitaと同時に発表された、アンドロイド端末上で初代プレイステーションの名作タイトルなどをプレイできるサービスで、その後HTCなど他メーカーのAndroid端末などでも楽しめるようPlayStation Mobileとサービス名称を変更するなど、ソニーが力を入れてきたサービスでした。開発キットも公開し、2012年10月にコンテンツ配信が始まり、サードパーティーによるソフトウェア開発および専用ストアでのアプリ配信なども開始され、AppleのAppStoreやAndroidのGoogle Playのようなコンテンツストアとして市場を席巻…するはずでした。
そのPlayStation Mobileが、サービス開始からわずか3年足らずでサービスが終了することになりました。具体的にはコンテンツ配信自体は2015年7月15日で終了、追加コンテンツの購入や再ダウンロードも9月10日で終了します。
残念なことに、購入したコンテンツですら機器認証をした端末でないと起動できません。そのためSCEJAでは2015年4月10日8(金)から9月10日(木)の間に、購入されたコンテンツを今後もプレイしたい全ての機器で機器認証をしておかないと二度と起動できなくなってしまいます。買ったものなのにプレイできなくなるというのはデジタルコンテンツ最大の欠点といえるでしょう。
一時期は無料でコンテンツを配布するキャンペーンなども行い知名度を上げる取り組みもしていましたが、当初のコンセプトだった「初代プレイステーションの名作タイトルを楽しむためのサービス」ではなく、専用プラットフォームのみに対応したAppStoreやGoogle Playの二番煎じに成り下がってしまっていた感があります。
PlayStation Certifiedという認定制度を導入し、認定を受けたデバイスでないとそもそもPlayStation Mobile非対応だったことも、サービスが市場に支持されなかった原因の一つでしょう。AndroidというOSを採用したデバイスをプラットフォームのベースに選んだのは先見の明がありましたが、あくまでも自社の市場制御にこだわりライセンスを提供した端末のみにサービスを限定したのは大きな失敗だったといわざるを得ません。スマートフォン事業から日本のメーカーが撤退してしまったことも影響しているかもしれませんが、せめてPlayStation Certifiedの認定端末の数が多ければもう少し違った展開になっていたかもしれません。