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無改造PS3でPSPバックアップ起動が可能に

/talkフォーラムで、SkyBladeCloud氏が公式ファームウェアのPS3にPSPのバックアップゲームをインストールして起動するためのチュートリアルを公開していました。

バックアップゲームを起動するには、通常は公式ファームウェアではチェックで弾かれてしまうためカスタムファームウェアが必須でした。これはソニーのゲーム機に限らず任天堂やマイクロソフトでも同じです。何らかのハードウェア改造(光学ドライブエミュレータなど)を施せば公式ファームウェアでもバックアップ起動は可能ですが、そういった改造も一切ない無改造状態でのバックアップ起動というのは通常は不可能です。

ところが、SkyBladeCloud氏が公開したチュートリアルに従って実行すれば、PSPのバックアップならPS3でそれが可能になるというのです。

そんなことはゲーム機の設計上あり得ないのですが、それを可能にしたブレイクスルーが実は存在したのです。それがKaKaRoTo氏がリリースしたPS3xportです。

そのPS3xportをはじめとしたツールを駆使し、PS3にPSPのバックアップゲームをインストールして起動する方法は以下のSkyBladeCloud氏のビデオチュートリアルに沿って行ってください。

というところで記事としては完結させたいところですが、それなりに長尺の、しかも英語のチュートリアルだけ提示して終わりでは芸がないので、ビデオを見て概略を日本語でまとめてみました。

このチュートリアルはPSPのUMDをリッピングしたバックアップISOを公式ファームウェアのPS3でプレイできるようにするものです。違法コピーを実行できるようにするものではありません。PS3のPSPエミュレータで実行できる形式にPSPのバックアップISOを変換し、PS3のHDDのバックアップへ保存し再びPS3のHDDへ書き戻すというのが大まかな流れです。

IDPSの入手

まずConsole ID(IDPS:PS3本体ごとに持つ固有の16バイトのID)をPS3からダンプして入手します。

PCでidpstealerを実行(StealIDPS.batというbatファイルが作ってあり、それを実行するとidpstealer.exeをコマンドプロンプトから実行する。idpstealer -p 30274 idps.binのコマンドが自動で実行される)すると、PCがプロキシサーバー(チュートリアルではIPアドレスが192.168.0.3で通信ポートが30274)として動作するようになります。PCはインターネットに接続されている環境であることが必要です。

ちなみにidpstealerについてはこちらをご参照ください。
PS3のIDPSを通信内容から傍受 IDPstealer v0.1 by flatz

PCがプロキシサーバーとして稼働するにはPS3とPCが同一ネットワークにある必要があります。PS3のインターネット接続設定でプロキシサーバーを使用する設定にし、プロキシサーバーをPCのローカルIPアドレス(チュートリアルでは192.168.0.3)に設定、ポート番号(チュートリアルでは30274)を指定します。設定が完了したら、念のため接続テストを実行し、問題がないことを確認してください。

プロキシサーバーとPS3が接続できていることが確認できたら、PS3をPSNへ接続します。What’s NEWなどを表示させるだけで構いません。接続できればidpstealerを実行しているコマンドプロンプトに「IDPS have been successfully written to :idps.bin」と表示されます。これでIDPSのダンプに成功です。idps.binとしてidpstealerと同一ディレクトリ内に保存されています。

PS3の4.70では実は対策されてしまっていてこのIDPSがダンプできませんが、IDPSがないとこの先できないというものでもなく代替手段が用意されていますので、次のPS3 HDDのフルバックアップから行ってください。

PS3のHDDバックアップ

まず、PS3のHDDをバックアップするためのUSB HDDを準備します。PCへ接続した外付けUSB HDDをFAT32でフォーマットするだけです。

フォーマットが完了したら、USBケーブルでそのHDDをPS3に接続し、標準のバックアップユーティリティ(設定 > 本体設定 > バックアップユーティリティー > バックアップ)を使いUSB HDDにバックアップを行います。

完了後USB HDDをPCへ接続し、PS3¥EXPORT¥BACKUP¥日付名フォルダにある”archive2.dat”を復号化します。”ExtractIndex2.bat”があるPCのフォルダに”archive2.dat”をコピーし、”ExtractIndex2.bat”のbatファイルを起動します。
IDPSがない場合は代わりに”ExtractIndex.bat”を起動させて”archive.dat”を復号化する必要があります。

“ExtractIndex2.bat”を実行するとできるundex.txtをテキストエディタで開くと/dev_hdd0/home/の中にフォルダ名としてユーザーナンバーが書かれています。チュートリアル動画の場合は00000010、つまりユーザーナンバーは10になっていることになります。テキストエディタの検索機能を上手く使って見つけてください。

リッピングしたバックアップゲームの変換

PSPのUMDをリッピングし、ISOファイルを用意します。これをPS3で起動できるよう変換するPSP2PS3のPS3minis.exeを使ってpkgへ変換します。

変換時には
・PS3のXMBで表示するゲームタイトル
・ゲームフォーマット(PSP minis形式/PSPリマスター形式)
・圧縮(Compress EBOOT.PBP)の可否(圧縮すると互換性は低下)
のパラメータの設定が必要です。PSPリマスター形式の場合は”MINIS2.txt”で設定パラメータを作成します。

設定が完了したらConvertをクリックしてで変換を開始します。変換には時間がかかります。

変換が完了すると生成されるフォルダをデスクトップ等にコピーし、ゲームIDのフォルダ名に変更します。

PeXploitでPSPのゲームをHDDへコピー

PeXploitを起動し、STEP1をクリックしPS3 HDDのバックアップの場所としてUSB HDDにあるarchive.datを指定します。
STEP2をクリックし、先ほど変換した、ゲームID名になっているフォルダを指定します。カテゴリーとしてClassics/Minisを選びます。あとはユーザーナンバーとidps.binの場所を選択し、Patch And GO!をクリックすると、バックアップデータにPSPの麦アップゲームを変換したデータが挿入されます。バックアップデータはゲームを入れた分、容量が大きくなります。

PS3のHDDへレストア

バックアップゲームを挿入したUSB HDDをPS3へUSBで接続し、XMBから
設定 > 本体設定 > バックアップユーティリティー > リストア
でデータをレストアします。

PS3は再起動後データベースを再構築し、PSPのバックアップゲームがインストールされます。IDPSがなかった場合は自分でデータベースの再構築を行う必要があります。破損データとして表示されるデータは削除してください。

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