GovanifY氏が、ニンテンドー3DSで初のソフトウェアMOD(Flashcart不要)であるカスタムファームウェア3DS CFWをリリースしていました。リリースというのは正確には正しくありません。本当は3DSシーンのゴタゴタの挙げ句の流出です。3DSはv4.5以下のみが対象です。
ちなみにFlashcartを買わなくてもバックアップ起動ができるようになった、と一般的なエンドユーザーが考えるのは、間違ってはいませんが正しい認識とはいえません。そんなに甘い話ではありませんよ。
任天堂の携帯ゲーム機はDS時代から販売店で購入する製品であるFlashcart(別名:マジコン)が全盛で、本体だけでのハックは皆無でした。
3DSもその流れでGateway 3DSやMT card、最近その存在が明らかになったSky3DSなどFlashcartを使うのが前提となっています。ただ3DSからはSDカードを使うようになったため、ハッカーは当然そのSDカードを利用してのHomebrew起動やバックアップ起動の実現に向けて日々取り組んでいたといえます。
今回公開された3DS CFWは署名チェックを回避するようパッチを施したもので、3DSにインストールするタイトルのフォーマットであるCIAフォーマットを非署名のままでインストールできるようになっています。バックアップゲームの起動が可能とされていますが、3DSのバックアップROM(CCIフォーマット)をそのCIAフォーマットに変換する必要があります(3dsguy氏のmakeromソフトウェアというものでできるらしい)。
実際にこの3DS CFWを開発したのはyellows8氏とderrek氏だそうで、ここにその流出騒ぎに至ったゴタゴタドラマの話の筋が書かれています。ただそれはGovanifY氏の言い分であり、そこで名指しで「自分達の手柄だと勝手にほざいてた」としてGovanifY氏に非難されているst4rk氏やroxas75氏はGBATempフォーラムで色々と反論しております。
先日のニンテンドー3DSの7.xで使われているKey流出も今回のゴタゴタの中で行われたもので、これもGovanifY氏が流出させたものだそうです。
先ほど「Flashcartを買わなくてもバックアップ起動ができるようになった、と一般的なエンドユーザーが考えるのは、間違ってはいませんが正しい認識とはいえません。」と書きましたが、3DS CFWのインストールチュートリアルは公開されています。一応要約しておきます。要約です。私も試していませんので「○○のところで△△なんですがどうしたらいいですか」という質問にはお答えしかねます。
1) v4.5のNANDをバックアップする
2) SDカードのセクタにNANDをコピー
3) 3DS_STUFFフォルダをSDカードに入れてLトリガー押しながらCFWを起動。
4) 何度かやればそのうち起動してホームメニューに戻る
5) 3DSのIPアドレスをrun.batにあるIPアドレスに置き換えてバッチファイル実行
6) “failed to connect”が表示されたらやり直し。Lトリガー押しながら起動したかどうかを確認
7) “Sending CIA Install command…”が出たら終了するまで待って次へ
8) 3DSの電源落として再起動。今度はLトリガー押さずにCFW起動
9) ホームメニューに戻ったらギフトとしてCIAファイルが出てくる
チュートリアルを読んだ時点で、誰でも簡単にできるようなエンドユーザー向けではないことが分かります。3DSのゲームカードのダンプもCIAへのコンバートも必要です。なによりもFlashcartとは異なり「最新ファームウェアに対応したアップデート」というものができません。バックアップゲーム起動も要求ファームウェアが4.5以下のものに限ります。
リリースするCFWとしての完成度は高くありませんし、リリースされた背景もあまり喜ばしい状況ではありません。3DS CFWのソースコードが公開されれば有志による開発継続により今後の進展が見込めますが、ソースコードがないとリバースから始まりますので、今度大きな動きがあるとするとそのソースコードが公開された時になるのではないでしょうか。