wololo.netで、Acid_Snake氏がネイティブVitaハッキングのリリース準備をしていることを示唆しています。
先日PSP exploitを大量に流出させやらかしてしまったAcid_Snake氏ですが、彼曰く「qwikrazor87氏がシーンをぶっ壊したので手伝ってやった。いい機会なのでePSP開発から足を洗ってネイティブVitaハッキングに取り組む」決意をしたそうです。世界には他にも同じePSP開発に取り組んでいた人たちが大勢いることを全く顧みず、さも自分達だけがすべてを決めているかのような振る舞いは…まあ、それはいいとして、彼の記事によるとPS Vitaのネイティブexploitをリリースする準備をどうやら計画しているようです。
Acid_Snake氏の記事にはいろいろ技術的な話も書かれていますが、全部翻訳すると私の寝る時間が無くなるので要約だけしておきます。
PS VitaでePSP(PSPエミュレータ)ではないところで任意のコードを実行するというのがVitaのネイティブハッキングです。ネイティブハックとはPSPのゲームを起動させて、あくまでもPSP環境でコードを実行するePSPハックとは異なり、VitaのHome画面であるLive Areaから直接Hello Worldを表示するようなものだとイメージしてください。
現時点で調査が進んでいるVitaネイティブハックがどのようなものなのかをAcid_Snake氏が記事にしています。それがどんなものかというと、WebKitに存在する脆弱性を利用するというものです。
WebKit(ウェブキット)はオープンソースのウェブブラウザレンダリングエンジンで、MacのSafariなどにも使われていますが、オープンソースですのでそれ以外のプラットフォームにも移植されています。その一つがPS Vitaなのです。
ちょうどWii UでブラウザのWebKitに存在する脆弱性を利用し任意のコードが実行できるようにするWii U Browser Exploitと同じだと思ってください。Wii UにもWebKitが使われています。
Vitaでネイティブコードを実行できるようにするきっかけとして使われるWebkit exploitは/talkフォーラムではbballing1というハンドルネームを使っているCodeLion氏が中心となった開発チーム”Team mayh3m”がコードネーム”Project Mayhem”として開発していました。
ところが、CodeLion氏によると最近になって次のVitaのアップデート 3.20でソニーがWebkitのアップデートを行い今開発中のexploitを対策してくるという事実を知り(どうやって分かったのかについては非公開のようです)、今回のAcid_Snake氏の記事によりユーザーへ3.18向けのWebkit exploitを準備している事実を周知すると共に、3.20へのアップデートを実施しないよう呼びかけているのです。
つまり、3.20が公開された時点でこのWebkit exploitも公開されます。最初に公開されるのはHello World表示程度かもしれませんが、開発環境もリリースする準備をしているようですので近日中にVitaシーンの流れが大きく変わりそうです。
Vitaネイティブハッキングのコードネーム”Project Mayhem”のMayhemには、”大混乱”という意味があります。”Project Mayhem”でシーンがひっくり返るというニュアンスを込めているのかもしれません。