wololo.netで、Wololo氏とAcid_Snake氏、Qwikrazor87氏がPSP向けのHomebrewローダーHBL(Half-Byte Loader)からPS Vita向けに進化したVHBL(Half-Byte Loader for Vita)をPS Vita専用として再構築したVHBL-Rebootを公開したしたことを伝えていました。
まず最初に、VHBL-Rebootというのは今までVHBL移植を行ってきたような開発者向けです。
HBL時代からPSPで動作するオープンソースHomebrewローダーとしてGoogle Codeのvalentine-hblでソースコードが公開されてきました。PSP時代の終焉とPS Vita時代の到来に伴い、HBLはPS Vita向けにアレンジされたVHBLとして引き続き開発が続けられてきました。
VHBLはPS VitaのePSP(PSPエミュレータ)上で動作するため基本はPSPと同様とは言っても、PSPには必要でePSPには不要なコードも多数抱えたまま今まで改良され続けてきました。例えばもう使えなくなったPSP/GAMEフォルダやsyscall estimationなどがそれに該当します。不要なコードを含んだままコンパイルされれば不必要に容量が増えたりと、メリットが殆どありません。
そこでwololo氏はVita専用のHomebrewローダーとしてVHBLを再定義し、内容を見直してプロジェクトを再起動するという意味を込めてVHBL-Rebootプロジェクトとして再出発することを決めました。現在はAcid_Snake氏、Qwikrazor87氏も加わり改良が行われています。
Google Codeのプロジェクトはこちら: VHBL-Reboot
VHBL-Rebootへの変更に伴い、valentine-hblから以下の点が変更されています。
・PSP専用だったsyscall estimationなどのコードの除去
・より容易なナビゲートに向けてプロジェクトのレイアウト変更
・フック追加や不具合の修正
・実験的試みとしてexploitconfig.cの追加。HBL起動時に最初に実行するpreHBLExec()とローダー起動前に実行されるpreLoader_Exec()が追加。VHBL起動時に初期化していた作業などをここでできるようにした便利な機能
・3.00以降でminisを起動させるとnet utilitiesを読み込まないことへの対処
・VHBLコンパイルのスクリプト作成
詳細はプロジェクトのoilix_changesに記載されています。
valentine-hbl同様、VHBL-Rebootにあるのはソースコードのみです。あくまでも開発者向けですので次回以降のVHBLのリリースからの適用が期待されます。
と書くと、例えば既にコンパイルしてリリースするのみのVHBLをお持ちの方は「またやり直しかよー」となるかもしれません。つまりVHBL-Rebootはそういう開発者向けであり、一般ユーザーに大きな恩恵があるわけではありません。今後はVita専用に余分なコードを削ぎ落としたVHBLがリリースされると思ってください。