Gateway 3DSチームが、ニンテンドー3DSでバックアップ起動が可能なGateway 3DSの次期ファームウェア2.0について現在プライベートベータ版を一部ベータテスターに配布中で、近く正式版を公開すると発表していました。
v2.0の存在が公表されてからはや半年。売りの一つだったマルチROM選択機能もMTcardに先を越されたまま、年が明けたどころか季節も冬から春に変わってしまいました。
一切合切音沙汰なかったGateway 3DSチームが突然ホームページを更新しました。
そこに書き込んだのは出す出す詐欺寸前と批判されてもおかしくなかったGateway 3DSのファームウェア Gateway 2.0の予想を超えた完成度の報告でした。
最初に書いておきますが、すばらしい完成度を誇るGateway 2.0は公開されていません。現時点では今までと何も変わらない情報だけの更新に過ぎません。ご注意ください。
Gateway 2.0 コードネーム “OMEGA”
突然コードネームが付きました。誰かが「これだけ機能向上するんだからコードネームとか付けた方が話題になるんじゃない?」とでも言ったのでしょうか。
ギリシャ文字の最初はアルファで、今までGW2.0はベータでした。今回はギリシャ文字のアルファから順で行くと一番最後に来る「オメガ」をコードネームにしています。一番最後の大御所登場の意味を込めたつもりなのか、もう終わりにしようというサインのつもりなのか知りませんが、Gateway 3DSチームはその”OMEGA”なるGateway 2.0を既にロイヤルベータテスターに配布、近く一般公開するとことを明らかにしました。
情報更新のみですので出す出す詐欺寸前の状況自体が改善された訳ではありません。ただし、さすがにここまで長期間煽っておいて出す出す詐欺でした、はないとは思います。
バックアップゲーム起動率100%へ
100%。これが何を意味するかと言うと、ライバルでも実現できていない『とびだせ どうぶつの森』のようにそもそもゲームカードが特殊構造(ゲームカード内にNAND flashメモリを搭載してそこにデータのセーブを行う)であるが故にバックアップが今まで起動しなかったものも含め、起動しないゲームは存在しないことを意味します。
少なくとも、3DSの最新のバージョンファームウェア「7.1.0-16x」までという前提条件は付くかもしれませんが、現時点までに発売されているゲームであればバックアップ起動率は100%とのことです。
マルチゲームサポート
これは今までマルチROMと読んでいた機能です。
Gateway 3DSではバックアップゲームを1枚のmicroSDカードに1つのバックアップゲームイメージを書き込んで起動することしかできませんでした。マルチゲームに対応することで、かつてのDSのFlashcartのように1枚のmicroSDカードに複数のバックアップゲームデータを入れておいて起動するものを選択するスタイルに変わります。
ニンテンドー3DSはホームメニュー上に挿入したゲームカードのアイコンが表示されます。今まではGateway 3DS側で準備したバックアップゲームのアイコンが表示され、ゲームの切替には一旦Gateway 3DSを3DSから抜いてmicorSDカードを差し替えてやる必要がありましたが、ホームメニュー上でROM切替メニューを[SELECT]ボタンを押してオンスクリーンで表示させ、そこで起動したいバックアップゲームを切り替える方式に変わりました。
ExFATサポートにより1ファイル4GBで分割する必要なし
microSDカードを使う上で避けて通れないのがFAT32フォーマットを使った場合のファイル容量の制限です。
1ファイルの容量は最大4GBまでと制限されているため、今時のゲームだと1つのファイルでは保存しきれなくなり4GBごとに分割をしてやる必要がありました。
SplitROM GUI(MacOSX/Windows)というユーティリティを使えば簡単に4GB以上のバックアップデータを分割可能ですが、ExFATのサポートにより分割の必要はなくなります。FAT32よりExFATの方が読み込み速度も向上するためGateway 3DSチームではExFATを推奨しています。
ようやく自炊可能に Game Card Dumper
ゲームデータをカードからダンプできる仕組みがないと、Flashcartはインターネット上に出回る違法コピーの起動用途専用となり違法行為のために必要な製品に分類されてしまいます。
まず自分が購入したゲームのバックアップを簡単に取れるようにした上で、そのバックアップを起動させるためにのみ用いるというのがGateway 3DSがFlashcartとして存在するために最低限必要な条件です。
今まではバックアップを取れる手段が提供されていなかったためGateway 3DS(を含めた3DS向けFlashcart)は違法コピーを違法にダウンロードして違法に利用するための道具でしかありませんでした。何度もバックアップソリューションの提示を求めてきたのはそのためです。
Gateway 3DSチームはGatewayメニュー(起動時にLボタンを押し続けることで表示されるメニュー)に3DSのゲームカードをダンプして3DSのSDカードに保存するGame Card Dumperを追加しました。ダンプファイル(=バックアップゲームファイル)をmicroSDカードにコピーすることでGateway 3DSで利用できます。
Gatewayのアップデート 機能追加に買い替え不要
Gateway 3DSチームはGateway 3DSに各種機能を盛り込みながらバージョンアップしてきました。発売当初とGateway 2.0とは別物と言っても過言ではない程進化を遂げています。
ハードウェアリビジョンが変わり、Gateway 2.0は対応したハードのGateway 3DSでのみサポートされるということも考えられましたが、設計段階からここまでは想定していたのかGateway 3DS本体のファームェアのだけでGateway 2.0を利用することができるようになっています。バージョンが古いGateway 3DSの場合、Gatewayモードに入る時にアップデートするようメッセージが表示されます。
Gateway 2.0は出す出す詐欺かと思う程かなり長期間待たされた感がありますが、初めてGateway 3DSの名が発信された時から10ヶ月を経てようやく違法コピーではないバックアップ起動を実現できるようになりました。ただし日本では販売自体が禁止されているため残念ながら購入できません(販売が違法になっていない海外からの輸入しか手はありません)。