任天堂が平成26年3月期通期の連結業績予想修正を発表し、年度頭に発表した業績予想を大幅に下方修正を行いました。岩田聡社長の会見での冒頭説明資料によると、
売上高は期初予想9,200億円 → 5,900億円
営業利益は期初予想1,000億円 → -350億円(営業損益)
経常利益は期初予想900億円 → 50億円
当期純損益は期初予想純利益550億円 → -250億円(純損失)
で、大幅な下方修正です。
岩田社長によると、本来は無配当に相当する業績ですがここ2年間の「配当金実績を踏まえ」て1株当たり期末配当金および年間配当金の下限を100円と設定するとのこと。
日本では3DSが好調な印象ですが(Wii Uは世界的に不調ですが)、今年の年末商戦はSCEのPlayStation 4とマイクロソフトのXbox Oneとの初の次世代機三つ巴直接対決だっただけに、先行して発売していたアドバンテージを全く活かすことができず完敗だったことが業績に大きく響いているようです。
このブログは経済系ではないのであまり深い考察はしませんが、特にWii Uの不調が数字に表れています。
日本はPS4もXbox Oneも未発売だった昨年の年末商戦で、ハード・ソフトとも世界で最もWii Uが売れていない市場でした。更に既にハードが生産終了で終息に向かっているWiiのソフトウェアの方がWii Uのソフトの倍以上売れているのです。ハードは物理的に売る商品がないためWii Uより少ないのは当然ですが、販売台数が多かったWiiの貯金でなんとか食いつなげただけ、というと分かり易いでしょうか。
海外では昨夏に日本円換算で約5,000円の値下げが実施されたWii Uですが、値下げによる販売台数回復予測を実績が下回ったため利益を押し下げるだけの結果になりました。
ソニーとマイクロソフトはそんなに悪いニュースが伝わってこないので、この時点で一人負けの任天堂は今後もかなり分が悪いと言わざるを得ません。
不調の理由は一言で言うとタイトル不足に尽きるでしょう。
Wii Uは発売からかなり時間が経過しているにもかかわらず、ぱっと目を引くビッグタイトルが見当たりません。Wii Uがオンリーワンになるタイトルがないまま発売から今日に至っている印象です。いつまでもマリオやゼルダに注力していてもヒットに繋がらないことは明白ですので任天堂は方向性を変えた方がいいのではないでしょうか。過去に成功してきたビジネスモデルにこだわってコンテンツを内製ハードのみに提供するのももう限界だと思います。
我が家も昨年ついにWii Uを購入しましたが、実はWii Uならではを実感しているのは実は『Wii カラオケ U』だったりします。最初からビルトインされているタイトルで、歌い放題の定額制チケットを購入して歌うだけですがこれがよくできています。Wii U GamePadをカラオケリモコン代わりに使いますが、見た目も操作感もカラオケそのものでなかなかのものです。Wii U GamePadを使うところがミソで、日本人のカラオケ文化のツボを心得ていると言わざるを得ません。もちろん発売されたばかりの『Wii U ワイヤレスマイク
Wii カラオケ Uのような、Wii Uらしさを前面に出せるようなアピールをして行けば私はまだまだWii Uには伸びる余地はあると思っています。このままいくとPS4に惨敗しかねないので任天堂には是非もう少し頑張って頂きたいです。