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任天堂迷走か!? 3DSの廉価版ニンテンドー2DSとWii U値下げ発表

BBCで、任天堂が新型携帯ゲーム機「ニンテンドー2DS」を発表すると共に、Wii Uの値下げを発表したと伝えていました。

日経のすっぱ抜きもなく突如発表されたのは「ニンテンドー2DS」。ニンテンドー3DSのエントリーラインナップとの位置付けで2013年10月12日より欧米にて発売されます。

ニンテンドー2DSはニンテンドーのラインナップの中でエントリー機としての役割を担い、買い易い価格で市場での存在感を高めようとしています。イギリスでは109.99ポンド(約16,700円)で、IGNによるとアメリカでは129.99ドル(約12,700円)になります。

2DSは3DSタイトルの3D立体視表示機能が省かれて、2Dのみの表示になります。ニンテンドーDSタイトルの後方互換も備えWi-Fi機能もあるなど機能的には退化しているとまでは言えませんが、WI-FiのON/OFFがスライド式のスイッチになっていたりとコストダウンの苦労の跡は見受けられます。すれちがい通信などではないと困るスリープモードも、3DSでのシェルを閉じるという代わりにスライダーを使って任意に行えるようになっています。

同時に販売の苦戦が伝えられるニンテンドーWii Uにもてこ入れが行われ、「値下げされれば売れるのならベーシックセットがもっと売れるはず」という岩田社長の発言も空しく聞こえる値下げが発表されました。32GBの”Deluxe version”(日本ではプレミアムセット)が349.99ドル(223ポンド)から299.99ドル(192ポンド)へと50ドル(31ポンド)、およそ5,000円の値下げです。

2DS発売もWii Uの値下げも日本市場については公表されていません。

実は先週の日曜日にWii Uを買ってしまいました。忙しかったので次の週末にでも開封してセットアップしようかと思っていた最中の値下げでしたので一瞬発狂しそうになりました。ひとまず日本での値下げがなかったとしても、もともと欧米での発売の方が先でしたので近いうちに日本でも値下げが発表される可能性は捨てきれません。

安くすれば売れる訳じゃないと言いながらの値下げに市場はどう反応するでしょうか。もっともWii U発売当初と今では日本円の為替相場が全く異なるため、今回の値下げは円安になった分の差を吸収させたようにも見えます。だとすれば日本での値下げはない、ということになりますね。

2DSについては、誰もがその存在に疑問を抱いたのではないでしょうか。

3DSを一体型成形化することで折りたたみ式ゲーム機と言うアイデンティティが排除されましたが、これはコストダウンの方法論としてはありだと思います。問題はニンテンドー3DSのランドマーク、唯一無二の存在価値だった3D表示機能の排除です。おそらくマーケティングで3D機能を使っていない人がかなり存在し、価格が下がるのであればなくても構わないという結果が出ていたのでしょう。Wii miniのようにカナダだけで販売して反応を見てから他国でも販売を開始するほどの任天堂がいきなり北米と欧州に発売するところを見ると、マーケティングだけを重視して発売されたと見てまず間違いありません。日本では3DSが好調なので2DSを投入する必要はないのでしょう。

ラインナップの充実というよりも営業戦略的なてこ入れ策にしか見えない2DSは、いかに任天堂が迷走しているのかの象徴だったと数年後に言われかねません。

次にはきっと、3DSタイトル起動機能を省いて価格を大幅に下げたニンテンドー1DSと、3DS LL並みのスクリーンを搭載した、是非ともタブレット端末と大きさを比較してみたいニンテンドー2DS LLが発売されますので楽しみに待ちましょう。

[追記]
GoNintenndoによると、2枚に見えるスクリーンは実は1枚のスクリーンをプラスチックで仕切っているだけのようです。上画面のタッチパネルとしての機能はマスクして使えないようにしているだけとか。そうなるとDSの名称の由来でもある”Dual Screen”ですら捨て去ったことになります。

実はタブレットやスマートフォンのような1画面スクリーンでも3DSタイトルを起動させることができるんだよ、という、かたくなに拒否して来た自社デバイス以外へのコンテンツ提供の布石だったりするのかもしれません。やっぱり2DSはいかに任天堂が迷走しているのかの象徴だったと数年後に言われることになりかねませんね。

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