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統率できないコミュニティ VHBLに使うexploitを突如公開したcosimo98氏に非はあるのか

ブログを書くために色んなサイトを巡回していますが、昨晩cosimo98氏がPS3modというサイトである書き込みをしているのを発見したので、思わずツイッターでこんな風につぶやいてしまいました。

このツイートにThe Z氏が反応して世界的に大騒ぎになった感じみたいです。正確なところは分かりません。

そう、ニンジャリリースでもなく普通に突然ユーザーモードexploitを持つゲームタイトルを公表した輩がいたのです。更に残念なことに2.60向けにVHBLを公開するとしていたAcid_Snake氏と同じゲームでした。Acid_Snake氏のニンジャリリースはまだ始まってもいなかったため、彼のリリース計画はこの瞬間破綻しました。

今回の事件はリークではありません。同じゲームでexploitを発見していたのはAcid_Snake氏だけではなくcosimo98氏もそうだったからです。二人共exploit発見とVHBL移植を自分で行っていたため条件としてはイーブンです。どちらが先に公開するか、の問題でした。

結果的にはコミュニティ全体の利益を重視するのか、開発者の名誉を重視するのかで、同じゲームでVHBL移植をした2人の対応が異なったことによる悲劇です。

cosimo98氏はps3modに自分で以下のような内容の書き込みをしました。

「PS Vita FW2.60向けに、自分で発見してVHBLの移植も完了しているユーザーモードexploitを公開します」

そして、そのゲーム名が『DARTS ARCADE』というPSP MinisでEU版(2.99ユーロ: NPEZ00053)だと発表しました。US版もあります。
特にニンジャリリースに対する反対意見などはなく、淡々と2.60が公開されたので準備していたVHBLをリリースします、程度です。ですからニンジャリリースに対して不満があったなどの主義主張はなく、単純に自分で発見したexploitを使って自分で移植したVHBLを公開しようとしているだけです。

日本ではPSP Minisとして展開していませんので流行っていませんが、海外では安価なPSP Minisでよってたかってexploitを探していた節があります。今回もその一環で見つかったexploitでしょう。

『DARTS ARCADE』を日本のストアを探してみましたが日本ではどうも販売していないようです。wololo氏によると『Arcade Pool(EU版はArcade Pool & Snooker)、『World of Pool』『Arcade Airhockey & bowling』にも同じくexploitが存在するそうです。どこかで漏れたかシリーズ物で同一だからなのか、wololo氏が別ゲームタイトル名まで公表した背景が分かりません。残念ながら私が調べた範囲ではそれら全て含めて日本のストアでは販売されていないようです。US/EUアカウントをお持ちでVHBL導入を希望しているのであれば急いでストアで購入してください。

ところで、こうやって「急いで購入してくださいね」と書かなければならないことからも分かる通り、先にゲーム名だけを公開したらストアから早々と撤去されて何の意味もないことにcosimo98氏は何故気が付かないのでしょうか。

理由は一つしかありません。リリースしたという名誉を一番乗りで入手するためです。名誉さえもらえれば実際に何人が自分の移植したVHBLを使えるのかなんて関係ないのです。ニンジャリリースを行えば、少なくとも3週間の間に3万人程度はこっそりゲーム名を知ることができますが、今回のように突然公表すると果たして何人の人がゲームを買えるのかの見通しが立ちません。

この『DARTS ARCADE』は20人以上もexploit発見者がいたようです。その一人がAcid_Snake氏であり、cosimo98氏であったということです。多くの人にVHBLを、という考え方でwololo氏の協力を仰ぎニンジャリリースを行おうとしたのがAcid_Snake氏であり(ただしリーク者チクリコンテストはいただけません)、とにかく自分の手柄にしようとwololo氏にコンタクトも取らずに公開したのがcosimo98氏です。cosimo98氏なりに自分達のコミュニティの協力は仰いでいたようですのでそれが悪いことだとは思いませんが、そもそも何故みんながwololo氏を頼るのかという視点が抜けています。VHBLはオープンソースではありますが、開発チームの中心人物がwololo氏なのです。そのwololo氏が多くの人にゲームを購入してもらうためにはどうすれば良いのかを考え、考案したのがニンジャリリースなのです。それを無視するcosimo98氏にはコミュニティ全体で利益を享受するという視点が抜けています。

ニンジャリリースを否定することは、wololo氏らがコミュニティ全体のために無償で提供したVHBLのソースコードを使っておきながらwololo氏の良心を否定することを意味します。exploitの発見は確かに発見者に権利がありますし、公開についても発見者以外の第3者が口出しする権利はありませんのでcosimo98氏に非があるとは思いませんが、少なくともニンジャリリースと同等の効果を生む公開方法を考えるべきでした。

「いかに多くの人にゲームを購入してもらってVHBLを楽しんでもらうか」の精神だけは忘れないようにしてもらいたいものです。

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