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変わるゲームの形 Free To Play(基本プレイ無料)

ファミ通.comが、バンダイナムコゲームスの格闘ゲーム『鉄拳』シリーズに、基本プレイ無料の『鉄拳レボリューション』が発表されたことを伝えていました。

『鉄拳レボリューション』の最新トレーラーも公開されています。ダウンロード版でしかなし得ないFree To Playですが、ダウンロード無料、基本プレイ無料ですのでプレイする分にはとりあえず費用はかからないというのが特徴です。無料ではありますがトレーラーを見る限りはいたって普通の鉄拳です。

ゲームとはお金を出して買うものであり、だからこそ違法コピーである海賊版が出回ってきたという黒歴史を持ちますが、今はちょうどその歴史の転換点なのかもしれません。

『鉄拳』シリーズはアーケードゲームとしてデビューした、以前から人気の格闘ゲームで、バンダイナムコ(元は合併前のナムコのタイトル)の代表作でもあります。かつてはゲーセンで100円玉何枚も手元に積みながらゲーセンでよく遊んだものです。

そんな『鉄拳』の最新作が何と無料で遊べるというのはちょっと不思議な気分です。

最近iOSやAndroidといったいわゆるスマートフォン向けゲームに押されて伸び悩んているといわれるトラディッショナルなゲーム機ですが、そのスマートフォン向けタイトルはダウンロード無料、ゲーム内課金で収益をあげるFree To Playが主流になっています。

今ピークを迎えている『パズルアンドドラゴンズ』、通称パズドラを見ても分かるとおり、基本プレイ無料が故に数多くのユーザーがダウンロードを試み、手軽にプレイしてみてその面白さに没頭するうちに自然と魔法石というアイテムを有料で購入するようになるというプロセスで、開発会社のガンホーは莫大な利益を得ることに成功しています。

Free To Playが必ずしも成功する必要条件ではありませんが、従来のゲームの販売方式だと、まず5000円程度の初期投資をしてゲームを入手する必要があるため、パブリッシャーはユーザーにまず購入してもらうために広告を出向して宣伝する必要がありました。

Free To Playの場合初期投資が必要ないため、手軽にダウンロードしてプレイしてもらうという成果を比較的簡単に得ることができます。しかもその後のSNSなどでの口コミ効果も絶大で、評判さえよければ、ユーザーが自発的にダウンロードをしてくれるという好循環を生み出します。

要するに「タダ」とい商品力は絶大なのです。初期投資がいらないのは、今までのゲーム購入プロセスには存在した、「お金を払う価値があるかどうかの検討」という大きな壁を取り払った画期的な販売形式だと言えます。

そもそもゲームの違法コピーか出回ってきた背景にはこうしたお金を払う壁の存在がありました。Free To Playにはそもそもその壁がないのですから、違法コピーの存在意義がありません。そもそもダウンロード版であるが故にコンテンツにはコピーガードがかかっており複製が困難ですので、違法コピー対策としての価値も多いにあります。

もちろんゲーム内課金しないと事実上プレイできないような「なんちゃって無料」のゲームもありますので一概にFree To Playが素晴らしいと持ち上げるつもりはありませんが、インターネット常時接続環境が整ったという時代背景をうまく利用した販売形式ですので、PS3のような据え置きゲーム機でも今後は主流になって行くのではないでしょうか。

『鉄拳レボリューション』はPS3で6月12日に配信予定です。

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