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手を出すべからず 3DSでバックアップゲーム起動を実現する”マジコン” Gateway 3DSの正体

ニンテンドー3DS向け”マジコン” Gateway 3DS

の記事を先日書きましたが、ここ数日あまりブログのネタがないのでGateway 3DSについて色々調べてみました。調べたと言っても海外サイトのウェブブラウジングですが、かなりガッカリな話が沢山出てきました。結論から言うと、こんなものに手を出さない方が吉です。これを読んだら購入意欲が失せると思います。というか、買ってはいけません。

バックアップROM1つにつき1枚のmicroSDカードが必要。更に条件あり

Gateway 3DSの動作の様子を撮影した動画では、バックアップ起動タイトルごとにmicroSDカードを入れ替えていました。かなり不便な印象ですが、この仕様にはやはり訳がありました。

http://www.youtube.com/watch?v=uW3LxuDvHeI

microSDカードは何らかの形式(一般的なFATなどではないかもしれません)できちんとフォーマットした上で、ゲームカードと全く同じサイズにして1枚のmicroSDカードに1つのバックアップROMを入れておかなければなりません。

つまり、ゲームカードに合わせて512MB/1GB/2GB/4GBのmicroSDを用意することになります。

形的には1:1クローンカードのようになります。しかし、1:1クローンカードであるが故にもっと面倒な仕様も存在します。

セーブデータも1カードリッジに1つ

セーブデータをmicroSDカードに保存できるのであれば良いのですが、先述のようにmicroSDカードにはバックアップROMしか入っていません。実はセーブデータはGateway 3DSカードリッジ本体に保存されているのです。おそらくそうしないとバックアップ起動ができなかったのでしょう。そのため、microSDカードを入れ替える度に何らかの方法でセーブデータをダンプしてバックアップを行い、入れ替えるROMのセーブデータを代わりに書き込んでやらないといけません。

ところがセーブデータをダンプしたり書き戻したりする方法が今はなさそうなのです。

仮にセーブデータ書き戻し方法が確立されたとしても、それは面倒な作業には違いないので、事実上Gateway 3DSは「バックアップカードリッジ」のようなものになります。

任天堂に対策されやすい仕組み

結局はイタチごっこになると思われますが、ゲームチップのIDをチェックするだけでGateway 3DSをブロックすることは可能なため、任天堂はファームウェアアップデートでGateway 3DSをブロックしてくるでしょう。

ちなみにGateway 3DS Teamがアップデートごとに対応するかどうかは定かではありません。後で書きますが、彼らは売るだけ売ったらトンズラするかもしれません。

レビュー用サンプル配布予定

Gateway 3DS Teamは、GABTempなどへGateway 3DSのレビュー用サンプルを配布する約束をしているようです。もしGateway 3DSがFakeならその時点で一蹴されますので3DSのバックアップゲームが起動する”マジコン”としては本物なのでしょう。一方で、動画で起動を証明したタイトル(『ルイージマンション2』、『Resident Evil: Revelations』(日本版はバイオハザード リベレーションズ)、『スーパーマリオ 3Dランド』)以外のゲームも起動するとはGateway 3DS Teamは一言も言っていません。

ただし、そのレビュー用サンプルは発売日の数日前に渡す可能性が高そうです。本当に売る気があればきちんとレビューをしてもらった上で指摘された不具合などを修正、改良し販売するはずです。任天堂の法的措置を予測して、一気に売って儲けたら一気にトンズラして逃げる気かもしれません。

正規カードリッジに見せかけているだけなのでリージョン制限はそのまま

動画で起動しているのは『ルイージマンション2』、『Resident Evil: Revelations』(日本版はバイオハザード リベレーションズ)、『スーパーマリオ 3Dランド』で、英語表記ですのですべて海外版です。ではそのゲームは全て起動するかというと、実は不確かなところがあります。

Gateway 3DSは単純に3DSに本物のゲームカードリッジだと見せかけることで起動しているだけのため、3DSの持っている各種制限はそのまま存在するそうです。つまり、リージョン制限があるということです。そのため日本版の『ルイージマンション2』、『バイオハザード リベレーションズ』、『スーパーマリオ 3Dランド』が日本の3DSで起動するかは不明です。

リージョン制限を解除するにはシステムへアクセスするための3DSモードのexploitが必要ですが、動画では単なるカードリッジタイプの”マジコン”を入れているだけですのでexploitを利用している訳ではなく正規カードリッジだと認識させているに過ぎません。そのためセーブデータを改造するチートもできません。非署名コードも実行できませんので、開発環境が仮に揃っていたとしてもHomebrewは絶対に起動しません。

それでも6月半ば以降には販売開始するらしい

なかり残念な仕様のGateway 3DSですが、発売はどうも目前のようです。

Gateway 3DS Teamにメールでコンタクトを取った人物によると、Gateway 3DSの詳細は近々公開予定で、販売店リストも公開済なので価格や送料は販売店に問い合わせて欲しいとの回答があったそうです。

本来は日本への輸入も日本での販売も禁止されている”マジコン”ですが、なんと2店舗の公式販売店が既に公式サイトのResellersに掲載されています。片方の店舗では送料無料で予約金1,000円(販売価格ではありません。予約の前金です)の表記がすでにされています。

価格や発売日の正確な情報は日本の販売店にもありませんでしたが、販売店の1つはなんとこのブログの記事を丸々コピペした紹介文を掲載している悪徳サイトでした。内容を見れば丸々コピペしたことがバレるような文章を躊躇なくコピペしているところを見ると、日本語が分からない中国人の仕業のようです。私は全くの無関係ですので念のため。そんなところから間違っても買ってはいけません。

まとめ。で、Gateway 3DSってどうよ?

Homnbrewは起動できない、違法コピー起動だけを当てにした単なる金儲けなので、手を出してはいけません。バックアップ起動に成功したこと自体は技術的に目を見張るものがありますが、違法コピーゲームの起動だけをターゲットにした金儲けには違法性しかありません。さらに言うと、日本版の3DSで日本版のバックアップゲームが起動する保証すらどこにもありません。また、販売価格にもよりますが1:1クローンに元の正規ゲームカードリッジよりもおそらく高額なコストをかけるのは違法コピー万歳な人も手を出さないでしょう。

私は自分で購入したゲームのバックアップ起動を否定はしませんが、”マジコン”の類は判例で違法だと認定されてしまった以上、違法は違法だと認識することが重要です。

参考サイト: GBATemp / PS3Crunch

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