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任天堂「違法コピー対策は完璧だから」Wiikeyチーム「このコード見てもそう思う?」業界で話題騒然 光学ドライブエミュレータ WiikeÜ

先日Wiikeyチームが光学ドライブエミュレーター WiikeÜを発表しましたが、発売されて半年も経たないうちにハッキングされてしまった任天堂の最新次世代ゲーム機ニンテンドーWii Uは、当然のことながら海外の一般ゲームサイトで取り上げられるほどのインパクトの大きいニュースでした。

なにしろニンテンドーWiiは既にハッカー側の対応に対して任天堂が次の手を打たない状態、つまり任天堂はイタチごっこバトルの自分達のターンで一時休止してしまっている状態で次世代機Wii Uへ移行したのです。任天堂としては意地でもWii Uをハックさせる訳には行かないはずで、更にはこんなに簡単にWii Uがハックされるはずがないと一般的には思われていたところでのWiikeyチームの発表ですからインパクトが小さいわけがありません。ニンテンドー3DSは今でもセキュリティは破られていませんが、それと同じことがWii Uでも言えるはず、と考えられていたのです。

WiikeyチームのWiikeÜ発表について伝えたEurogamerが任天堂にコメントを求めたところ、こんな答えが返ってきたそうです。

「ハッカーグループがWii Uのセキュリティを危険にさらしたと主張していることは把握しています。ただ、弊社としては違法に入手したWii Uのゲームや認可されていないアプリケーションがWii Uモードのシステムで起動できたという報告は一切聞いていません。」

任天堂のスポークスマンはそのように語り、現状ではWii Uモードのセキュリティが破られたとは認識していないことを強調しました。

「弊社では製品のセキュリティを脅かすいかなるものに対しても引き続き監視を行っていきます。また、技術的にも対応を行うと共に著作権侵害行為の蔓延防止に向けて必要な法的措置も検討します。」

光学ドライブエミュレータという製品であれば必ず一般ユーザーに渡るための流通経路が存在するため、以前Flashcartを市場から駆逐した時のノウハウを活かし、イザとなれば法的措置という伝家の宝刀で市場に流通しないよう駆逐することを宣言した形です。

バックアップ起動だけに特化する光学ドライブエミュレータは、当然バックアップ起動ではなく違法コピー起動が目的と解釈されてしまいますので、最終的に法的措置で市場に出回らないという結果を招くのはやむを得ないといえるでしょう。

Wii UもWiiモードではWiiの”任天堂側のターンで一時休止”状態を再現したものであるため既にセキュリティは破られてしまっていますが、Wii Uモードのセキュリティはまだまだ強固なはずでした。任天堂もそういう認識なので「Wii Uモード」でのセキュリティは破られていないとわざわざ発言したのでしょう。逆に言うと、Wiiモードに関しては早期に破られることは想定内だったのかもしれません。

ところが、この任天堂の発言に対し今度はWiikeyチームが挑発的な反論を公式サイトで発表しました。

“Nintendo is aware that a hacking group claims to have compromised Wii U security,” a spokesperson told Eurogamer. “However, we have no reports of illegal Wii U games nor unauthorized applications playable on the system while in Wii U mode.”
「ハッカーグループがWii Uのセキュリティを危険にさらしたと主張していることは把握しています。ただ、弊社としては違法に入手したWii Uのゲームや認可されていないアプリケーションがWii Uモードのシステムで起動できたという報告は一切聞いていません。」

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前半の部分はEurogamerの記事そのものです。「一切聞いていない」と否定する任天堂に対するWiikeyチームの反論が何かのコードのような数字の羅列でした。

何を意味するのか数字では分からないので、とりあえずHEXエディタにコピペしてみたところ、ASCIIコードで次の文字列表示されました。

WUP-P-ARPP-00-101EUR-2

とりあえずググってみると、http://pastie.org/7751090のページに行き当たりました。どうやら

WUP-P-ARPP-00-101EUR-2

は、NSMBWiiU、つまり『New スーパーマリオブラザーズ U』のことを表しているようです。

WiikeyチームはWii Uディスクのヘッダー部分に本来なら暗号化されて記載されているはずのコード、ないしはアップデータを復号してみせたんだということを主張しているようです。

ディスクヘッダだとするとWii Uのディスクの読み取り(おそらくバックアップできたということを意味すると思われます)と復号化が、アップデータだとしてもデータの復号はできている可能性が非常に高いです。

今回の一連の出来事を簡単言うと、任天堂がWiikeyチームのWiikeÜについて「違法コピー対策は完璧だからセキュリティは破られるはずがない」と発言したことに対し、Wiikeyチームは「じゃあ、本来なら誰も分からないはずのこのコード見てもそう思う?」と任天堂を挑発したことになります。

絶対に破れないセキュリティは存在しないので任天堂のセキュリティは完璧のはず、とは個人的には思いませんが、Wii U発売時期から考えると「ごく早期にセキュリティが破られた」形となってしまったようです。これはWiikeÜ発売時には迅速な法的措置がとられてしまうことはほぼ確定したといっても過言ではないかもしれません。

任天堂はハックされたされないの境界線は違法コピーが起動するかしないかというところで定義しているため、Wiikeyチームは今回そこで任天堂の逆鱗に触れてしまった可能性が高そうです。任天堂としては発売に至る前にWiikeÜを潰せるかどうかが勝負になりそうです。

[追記]
名無しさんや173210さんからコメントいただきましたが、あるハッカーがWii Uのゲームディスクのバックアップに成功し、それを違法に配布してしまっているようです。

ゲームは欧州版の『The Avengers – Battle for Earth』で、添付されていたNFOファイルにはAES Keyと称する暗号鍵が記載されてるようです。コメントでいただいたリンク先ではNFOファイルを画像として掲載していますが、念のためAES Keyだとされている部分はモザイクをかけておきました。

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