Forget the Boxで、Wii Uの製造コストは180ドルであるため販売価格は300ドルを下回ることはないと伝えていました。
任天堂製品の製造や流通に近いある情報筋によると、Wii Uの製造部品のコストはおよそ180ドルで、その中でもWii Uの特徴であるコントローラーの部品コストが一番高額で50ドルを超える模様です。
現在任天堂では最終的なコストを計算してWii Uの販売価格を決定すべく調整中ですが、現状では発売時の価格が300ドルを下回ることはなさそうです。
Forget the Boxに情報を提供した人物は、価格設定について次のように述べています。
「製造コストを削減して任天堂の利益を最大限にすることがWii Uにとては最も重要なことです。投資家の信頼を得るためのコスト削減です。任天堂は投資家に対してWIi Uはリスクが少ない製品であると思わせたいのです。」
これからスマートフォンなどへの搭載により普及が見込まれるNFCをWii Uが採用することで更に普及へ弾みがつくように思われますが、NFC普及の旗振り役として市場を牽引しようという意欲的なものではなく費用対効果が良いと判断しての採用だったようです。Wii UコントローラーのNFC対応のコストは5ドル程度ですが、モバイルデバイスへの搭載コストは近い将来1ドル以下になると言われています。先の人物は「モバイルデバイスで主力となるにつれてNFCの価格は急激に下落していきます。任天堂はコストが下がることを見越してNFCに飛び乗ったのですから。」
50ドルを超えるというコントローラーの他の部品の製造コストについても次のように述べています。
「Wii Uコントローラーのカメラの製造コストは6ドル程度です。3DSやDSiのカメラより若干良いという程度のものです。また、タッチスクリーンの製造コストは14ドル程度です。」
カメラとタッチスクリーンだけで20ドルですから、そに時点で既にコントローラーの総製造コストの半分弱が消費されていることになります。
もっとも、製造コストとここで呼んでいる180ドルは純粋に組み立てるために必要な部品コストを積み上げたものであり、内蔵するソフトウェア分や梱包、輸送などのコストは全く含まれていません。それらを積み上げた上に利益を載せた価格が300ドルということになります。
今は1ドル80円程度ですので300ドルは日本円にすると24,000円ということになりますが、ソニーのPS Vitaのように1ドル100円換算で価格設定されると30,000円ということになります。
Wiiの日本での発売当初の販売価格は25,000円でしたので24,000円であれば妥当な線とも言えなくはないですが、現在北米ではゲームがハンドルされて150ドルで販売されていることから印象としては「モデルチェンジで価格が倍になった」と受け取られてしまう可能性があります。更には性能はPS3やXbox 360と同等となると市場が拒否反応を示す可能性が非常に高いことは容易に予想できます。
3DSが任天堂の想定以上に受け入れられず、発売から僅か数ヶ月で25,000円から15,000円へと逆ザヤ覚悟の値下げの賭けに出なければならなくなったのは記憶に新しいところです。その前例からWii Uの価格を素直に300ドルに設定するのも任天堂にとっては賭けになります。
Wii Uは今年の年末商戦に向けて発売される(発売日は2012年11月18日(日)という噂もある)ため、今年6月のE3では価格が発表されると思われます。E3では任天堂の決断、ないしは覚悟が示されそうです。