日経新聞で、ゲームジャーナリスト新 清士氏の「ゲーム解読」記事で、PlayStation Vitaについて初期出荷の約50万台を初日に売り切ることができず、立ち上がりとしてはSCEのもくろみ通りにいかなかった不安な船出だと指摘していました。
50万台を予約で売り切ってしまい70万台用意することになったはずのPS Vitaですが、発売直後に当然50万台販売されるものだと思っていましたが、クリスマス商戦で年間を通しても一番物が売れるはずのこの時期に蓋を開けたら発売後の2日間で32万台と、ちょっと「あれ?」と感じる数字だったことは事実です。商戦期でも何でもない2月末に発売された3DSよりも初期販売台数が少なかったことが、「あれ?」に拍車をかけています。
発売日に販売店を実際回って見ましたが、一部店舗でWi-Fi版だけが品切れだった以外は特段品薄感はなく、予約しなくても普通に購入できる状態でした。
新 清士氏は予想以下の販売台数だった原因としてメモリーカードを別売りとしたことにより初期投資が事実上高額であることを挙げています。更に今後はコストダウンにより値下げされ数年後には2万円を切る程度の価格設定になってくるだろうと述べています。
内容自体はかなりの酷評で、ダウンロード販売市場でアップルのような柔軟な価格設定による需要喚起も過去のしがらみから抜け出せないため踏み込めず、開発サイドも10億円規模の開発費用を投入するのはリスクが高く、そのためVita専用タイトルのような形は減って行きVitaにゲームが集中することはないとした上で、今後はネット販売に主流が移り「PS VitaはSCEのカードスロットを搭載する最後の携帯ゲーム機となる可能性が高い。しかし、中古販売に慣れた小売店やユーザーがそれを支持するためにはまったく違うビジネスモデルが必要だが、現時点においてPS Vitaからその未来は感じられない。」とまで言い切っています。
ニンテンドー3DSもそうでしたが、3Dという本体の魅力だけでゲーム機が売れる時代ではありません。3Gモデルを用意したことでツイッターなどのソーシャルコミュニケーションツールとしても利用できるPS Vitaですが、スマートフォン全盛の今、PS Vitaにその役割をユーザーは求めていないのかもしれません。