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さらばOtherOS 集団訴訟でユーザー敗訴

PS3Haxが、OtherOS集団訴訟でソニーの訴えが認められたことを伝えていました。要するにOtherOS機能削除は不当とした原告の訴えは退けられたことになります。

OtherOS集団訴訟とは、PS3にかつては存在したLinuxをインストールする機能(OtherOS機能)を、ソニーがファームウェアアップデートによりユーザーの意向を無視して一方的に削除したことは不当だとして原告を募りソニーを訴えていた訴訟です。

ソニーがOtherOS機能を削除したきっかけはGeohot氏のJailbreakであり、PS3でLinuxが起動できることでJailbreakされるのであればなくしてしまえばいいという、ユーザー見地からはちょっと乱暴とも言えるJailbreak対策だったため、ユーザーが反発しました。

一方、OtherOS機能削除がファームウェアアップデートにより行われたため、常に最新のファームウェアでないと接続できないソニーのインターネットサービス機能であるPSN(PlayStation Network)の必要条件と相入れないことから、ユーザーはファームウェアをアップデートせずPSNサービスを諦めてOtherOS機能を使い続けるか、ファームウェアをアップデートしてOtherOS機能を諦めPSNサービスを使うかの二者択一を迫られることになりました。

Linuxが動作するゲーム機だからこそPS3を購入したユーザーにとってはPSNサービスを受ける権利もLinuxを使う権利もあると考えるのは当然です。ソニーの行動に不満を抱いて集まった原告らは訴訟でそれを訴えていました。

ところが、裁判所が導いた結論は、原告の訴えを退けることでした。

原告の敗因は、原告が主張していた「PS3本体の保証期間中はOtherOS機能とPSN接続機能を利用する権利がある」ことを原告が証明できなかったからです。

ファームウェアをアップデートしなければOtherOS機能は使い続けることが可能であることに加え基本的な「ゲームをプレイできる」という本質的なPS3本体で実現する機能は失われておらず、更にPSN機能はユーザーが購入したPS3本体で実現する機能ではなく外部サービスだとされてしまったようです。

結局のところ、アップデートによりアクセスできなくなるPSNを本体の機能と主張したことが認められなかった形になります。

訴訟がこのあとどうなるかについては不明ですが、このまま上告しなければ司法がOtherOS削除を認めたことになるためユーザーはPS3標準機能としてのOtherOSを二度と手に入れることはできなくなります。

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