AV WATCHで、PS Vitaの保存外部メモリーとしてPSPで採用していたメモリースティックや現在主流のmicroSDを採用せず「専用メモリーカード」を採用した理由をSCE広報が「セキュリティ」のためだと明言したことを伝えていました。
今やほぼ全てのデバイスで使用するようになったmicroSDは大容量でも安価であり、ユーザーに取って外部メモリーにmicroSDが採用されていることは経済的メリットが大きいと言えます。microSDとの比較では価格が高いメモリースティックもソニー製品にしか使われていないとはいえ汎用品であるため比較的安価に入手が可能です。どちらも一番大きなメリットは汎用品であるが故どこでも入手が可能だという点に尽きます。
実際日経トレンディネットの圧倒的に進化したPS Vitaの苦悩【TGS 2011】という記事でもこのような表記がされています。
メモリーカードが独自形式というのも、いくら何でも時代に逆行している。
これは世の中の誰もが思う事実でしょう。
(ちなみに上記記事の内容全体としてはスマートフォンとPS Vitaを同列に扱いVitaを批判する内容で、賛同しかねます。)
ソニー・コンピュータエンタテインメント SVP 兼 第2事業部長の松本吉生氏とSCE広報は、専用メモリーカードを採用した理由について以下のようにコメントしています。
SCE広報:色々検討を進めてはいました。汎用のものを利用することもできましたが、一番最適なものを考えると、セキュリティの面も含め、我々の独自のものを作った方がいいのではないか、ということになりました。
松本:その辺は議論はあるのですけれど、将来のことまで考えると、自分達のコントロールができるメディアにしておこう、という結論になった、ということです。
専用メモリーカードはmicroSDカードをより四角くしたような形状で、サイズも似ているようですが、詳細不明ながらセキュリティ面を強化した、独自のメディアになっています。
また、現在のPSPの場合PSPは単なるストレージ扱いですが、PS VitaではVita内にデータ転送用アプリが内蔵され、ファイルのコピーや転送といった作業をVita側で操作することにより実行する形となっているようです。
当然データをやり取りする反対側に位置するPCやPS3にも何らかのアプリケーションが必要になるため、PS3では新しいシステムソフトウエアが、PC側でもなんらかのソフトが必要になるだろうとAV WATCHでは結論付けています。
このブログの読者の方であれば、外部メモリーカードが専用品になったことが何を意味するのか分かると思います。「時代に逆行」しているのはユーザー視点の意見ですが、ソニー側に立つと「そこまでやらないとハッキング対策できない」つまり利便性を捨ててでもセキュリティ強化するために汎用品排除の策に出たことになります。
バッテリー交換ができないのも、安価な汎用外部メモリーが使えないのもすべてPSPシーンの歴史といえます。PSPシーンの代償をユーザーがVitaで払うことになります。