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ソニー 平井一夫氏「PSVITAでPSP超える」PS3の反省活かせるか

日経新聞がE3会場でSCEの代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏にインタビューを行い、PSVITAについてPSPは世界の累積販売台数が7000万台を突破したが、ヴィータはそれを上回る数字をもっと短い期間で達成したいと考えているとPSP超えに意欲を示したことを伝えていました。PSPの7000万台という数字も十分大きな数字ですが、任天堂には後塵を拝して悔しい思いをしたことを反省しての目標設定なのでしょうか。

「ヴィータ、PSP上回る数字達成する」ソニー・平井氏
情報流出、退会少なく影響は軽微

 ソニー・コンピュータエンタテインメントの平井一夫社長は7日、米ロサンゼルスで開催中のゲーム見本市「E3」で日本経済新聞の取材に応じた。インターネット配信サービスから大量の個人情報が流出した問題について「問題を機に退会した利用者は数%未満」と経営への影響は軽微との認識を示した。主なやり取りは以下の通り。

 ――ネット配信サービスは日本などでは再開できていない。

 「なるべく早く再開したいが、政府関係者などと協議しながらタイミングをみて再開することになる」

 ――今回の問題はソニーグループのネット戦略に影響を与えるのか。

 「サービスを再開した地域で利用動向を見ているが、問題が発生する前の80~90%の利用者がサービスを再び使っている。サービス休止中は利用者から『いつ再開するのか』というお叱りの声が多く、問題を機に退会した利用者は数%に満たない。利用者が当社の商品やサービスを敬遠する傾向は出ておらず、ネット戦略に大きな変更はない」

 ――6日に発表した携帯型ゲーム機「プレイステーション・ヴィータ」の価格は2万4980円からと関係者の想定よりも低かった。

 「他社の携帯型ゲーム機などを意識して決めた価格ではない。利用者に究極の携帯型ゲーム機を提供する中で、どれだけアグレッシブな価格を設定できるかのみを議論して導き出した結果だ」

 ――販売目標は。

 「まだ発表したばかりで年間目標などはこれから詰める。ただ、現行の『プレイステーション・ポータブル』はこのほど世界の累積販売台数が7000万台を突破したが、ヴィータはそれを上回る数字をもっと短い期間で達成したいと考えている」

 ――スマートフォン(高機能携帯電話)などを通じたゲームが急速に存在感を高めている。

 「当社として一番大事なことは、いかにしてゲームに特化した利用者が楽しめる商品に仕上げるかだ。ヴィータは大きな有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の画面や物理的なボタンなど、スマートフォンにない特徴を備えており、利用者の支持を得られると思っている」

 「一方で、スマートフォンなど向けにプレイステーションを体験してもらうことも考えている。1月にアンドロイド端末向けにゲームを提供する『プレイステーション スイート』を発表しており、本格的なゲームと手軽なゲームの両方の市場を押さえる。さらに手軽なゲームをきっかけに本格的なゲームに移ってもらうための取り組みも必要だ」

PSNがまだ再開されない理由は経済産業省がダメだと首を縦に振らないからのようです。

一方、平井氏はロイターのインタビューの中で3年以内にPSVITAの販売で利益を出すことを目標にすると語り、PSVITA本体の販売だけで3年以内の黒字化を目指すと明言していたそうです。

これはPS3が2006年発売時、1台売るのに数百ドルのコストがかかっていた程高コストだったため黒字化に時間がかかり過ぎたことの反省に基づく目標のようです。

つまり、24980円 (Wi-Fiモデル)で3年黒字化が可能と踏んでいるということです。

この24980円という価格設定にも、実はPS3の反省が活かされているようです。
SCEワールドワイド・スタジオ社長 吉田修平氏はGamesIndustryのインタビューの中でPS3は当初の高額価格により販売が低調だったことを反省し、PSVITA開発を開始した3年前の2008年春の時点で、まず価格を249ドルに設定するところから始めたと語っています。つまり、利益を生むためにまず価格を設定してからその価格を目標に開発を進めたことになります。PS3のように専用チップなどを用いずありものの組み合わせで設計したのには最初に販売価格が決まっていたことによる選択だったといえます。

最初に任天堂の後塵を拝したことが悔しくてPSVITAでPSPを超えるのか?と書きました。どうやらPSVITAで挑んでいるのは任天堂ではなく、PS3で失敗したSCE自身の過去のようです。

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