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PSP goの発売日はなぜ11月1日なのか、その謎に迫る

読者のNAKKANさんさんから、
『PSP goはなぜアメリカより一ヶ月遅い発売なのでしょうか?』
という質問をもらいました。
ソニーに聞いてくれ、というのが正しい回答ですが、世の中正しいことだけがすべてではありません。
正しくないかもしれないけれど、妙に納得するかもしれない考察などを行ってみたいと思います。

1.PSP goの発売日
PSP goは2009年6月に行われたE3で発表されました(2009年6月3日のニュース参照)
北米/欧州/アジアは10月1日から、日本は11月1日に発売です。
ここで気になるのは、日本だけ他の海外市場より1ヶ月も発売が遅いことです.日本のユーザーのみならず世界中のユーザーは早くこの新型PSP goを入手したいはずですが、海外ですらE3での発表から4ヶ月余り、日本に至っては5ヶ月余りも期待だけあおられて待たされることになります。
ほとんどのユーザーはそれが長い期間だと思ったことでしょう。通常早めに次期モデルを発表してしまうと現行モデル(PSP-3000)の買い控えが発生します。そのリスクを冒してまでソニーはなぜE3でPSP goを発表したのでしょう。

2.その陰にあのソフトあり?

2009年7月に発売されたNintendo DS用ドラゴンクエストIX 星空の守り人は発売3週目で販売本数300万本を突破しました( 2009年7月28日のニュース参照)。それに牽引される形でDSiおよびDSLiteも販売台数を伸ばしています( 2009年7月25日のニュース参照)。
ただ、これはドラゴンクエストIXがあまりにもビックタイトルであるが故の現象で予想の範囲を超えるものではありません。
従ってソニー内部でも当然対策を検討していたのは想像に難くありません。
PSP goの発売時期を2009年秋に設定していた場合、ドラゴンクエストIXの勢いで2009年をそのまま任天堂DSに独走されないためにはどうすれば良いのでしょうか。
その答えがドラゴンクエストIX発売前にPSP goを発表しておくことだったのではないかと考えれます。
そうすることにより、ちょうどドラクエ効果の落ちる時期に任天堂の勢いを止めるPSP goが発売できる、そう考えても不思議ではありません。
海外市場の場合はちょうど春にDSiが発売になっていますので話題性抜群の時期にあえてPSPにも新型があることをアピールできてることには相当なメリットがあります。構図としては日本と同じだと考えても良いでしょう。
ドラクエが発売を延期することなく順調に発売していたならPSP goは6月のE3ではなく欧州のGamesComや日本の東京ゲームショウが発表の場だったのかもしれません。

3.欧州>北米>日本

PSP goは10月1日に北米/欧州/アジアで、11月1日には日本で発売されるのというのは先ほど述べた通りです。ソニーのお膝元日本だけ世界の他国より置き去りになった形です。
しかしこれは日本が置き去りにされたというより、ソニーは日本の企業ではなく世界的な企業であるが故の、グローバルな視点での営業戦略に基づく対応 – PSP Goは単にソニーが重視する市場へ先に投入した単なる営業戦略 – だと思います。
現在の世界のPSP販売台数は
欧州>北米>日本
ですので自ずと重視するのは少なくとも日本ではないことが分かります。


fig.1 ゲーム機販売台数 2009年7月18日(http://vgchartz.com/より)

また、一番販売台数が見込めるHolyday season(日本で言う年末商戦)に向けて重要市場へ先に投入する場合、12月中下旬とお年玉のお正月がメインの日本より、11月下旬の感謝祭後からクリスマスまでの海外のほうが先に販売ピークが来るのでこのあたりも営業戦略上影響しているでしょう。

もちろん世界同時発売がユーザーから見ても理想ですが、発売直後から品薄だと出鼻をくじかれるので生産台数の関係上世界同時発売は困難なのかもしれません。

4.PSP go販売のためのキラーコンテンツ
DSが爆発的に販売を延ばしたのは脳トレブームのおかげですし、PSPが盛り返したのもモンスターハンターポータブルのヒットがその陰にありました。
ゲーム機のヒットには必ず爆発的に売れるキラーコンテンツが必要なことは過去の事実が物語っています。
今回のPSP goの場合、発売日設定からみて営業戦略上はグランツーリスモがキラーコンテンツにあたります。各国での発売日はどうなっているのでしょうか。

the PSPR(PlayStationRPortable) exclusive software Gran Turismo was announced. It is expected to hit retail stores on Thursday, October 8, 2009 in Japan. (October 1 in North America / Europe)
PSP(プレイステーションポータブル)専用ソフトウェア グランツーリスモを発表しました。日本では2009年10月8日に発売予定です。(北米、欧州は10月1日)

グランツーリスモ公式サイト(英語版)より

PSPのグランツーリスモの発売(配信)は海外ではPSP Go発売と同時、日本ではPSP go発売3週間前ということになります。ここでも日本飛ばしの構図が描かれているように感じますが、PSP go発売日を1ヶ月も遅らされた日本市場の場合は海外での評判を広報宣伝として利用する戦略を採用しているのかもしれません。そこから想像しうることはひとつ、日本がダウンロードのみの販売方式に世界で一番拒否感のある市場なのかもしれません。

グランツーリスモはもちろん既存のPSPでも遊べますが、ソニーはPSP go向けにダウンロード販売したいのは事実でしょう。そのための告知・準備期間として海外市場との時差1ヶ月を有効に活用しする計画だとすれば納得のいく戦略です。
そしてソニーが当初PSP Goで本当に狙っているのはPSPを持っていないけれどDSは持っている、などのPSP購入予備軍です。彼らに購入意欲をわかせるにはネームバリューのあるキラーソフトが必要です。雑誌、ネット、口コミでグランツーリスモの評判が広がるちょうどいいタイミングでのPSP Go発売です。

5.PSP goが11月1日発売の本当の理由

上記のように想像でよければいくらでも意見は出てきますが、正直なところまもすけ自身E3でのPSP Go正式発表を聞いたとき「日本が後回しにされた」と感じました。
ここで思い起こすのは任天堂DSiも日本での発売日は2008年の11月1日だった事実です。日本の商習慣的に1並びの11月1日はちょうどいいのかもしれません。

商習慣というと気になるのが六曜(ろくよう)です。実はPSP go発売日の2009年11月1日は大安なのです。ソニーは過去にも大安吉日を気にしていたのでしょうか。

PSP-1000 >> 2004年12月12日(日)大安
PSP-2000 >> 2007年9月20日(木)大安
PSP-3000 >> 2008年10月16日(木)友引
PSP go >>>> 2009年11月1日(日)大安

発売日を木曜(発売した直後に週末を迎えるため販売戦略的には都合がよいと言われている)にこだわったため友引になったPSP-3000以外は大安であることが分かります。
ソニーが過去に販売したゲーム機を調べていくと、木曜日か大安を選んでいることが多いことが分かります。プレイステーション3の日本での発売は2006年11月11日(土)で、もちろん大安です。
発売日の最強の組み合わせは木曜日の大安ですが、PSP goが発売される前後の2009年10月から12月にかけては残念ながら一度もありません。
そう考えるとPSP go発売日の2009年11月1日(日)は非常に日柄が良いことが分かります。1並びの大安は12続きで大安だった初代PSP-1000よりも縁起がよさそうな日取りです。

ということで多種にわたる考察をしましたが
結論:PSP goは縁起を担いで発売日が決められている
これでいきたいと思います。

6.おわりに
DSiが世界に先駆けて日本で発売されたのはマジコンの存在が考えられます。R4販売差し止めで大々的に法的手段に出たのは日本が最初でした。しかしPSPの場合CFWは関係ないと思います。ダウンロード販売メインを視野に入れた時点でCFWをはじく手だてができたも同然なので今後は自作アプリを楽しみたいマニアだけがCFW化する時代になると思います。
それまではUMDすら公式FWでないと起動しない手段でしのぐのではないでしょうか。
ま、全部私の勝手な意見ですけど。

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