Nintendo DSiで直接AVI/WMV/RMVBといった動画ファイルを再生できるSLOT1カードリッジの話題を以前お伝えしましたが(2009年6月8日のニュース参照)、名称はiPlayerとなり公式サイトはhttp://www.dsiplayer.com/であることが分かりました。またGBAtempではサンプルを入手したようで、インプレッションを掲載していました。ベースはAcekard2のようです。【情報源:GBAtemp】
長文につき翻訳のみでお伝えします。
iPlayer Hands-On ImpressionsiPlayerはスロット1を使うメディアプレーヤーで、Homebrew以外の市販ROMファイルの読み込み機能はありません。つまりiPlayerは現在市場に流通しているマジコンとは異なり映像音声メディアとHomebrewにのみ対応する戦略に基づき開発されました。
マジコン自体でもマルチメディア再生機能はありますが、オーディオコーデックとDPGビデオ(DSに最適化されたビデオフォーマット)にしか対応していません。DPGビデオはマジコンで使用する前にPCでフォーマット変換を行う必要があります。これはDSのCPUが一般的なビデオフォーマットを再生できるほどの能力がないためです。
この問題を解決するためにiPlayerは専用CPUとRAMを搭載し、各種フォーマットのファイルをダイレクトにデコードできるようになっています。そのためユーザーはDSで再生するためだけ事前にフォーマット変換をするような無駄なことをする必要がありません。
iPlayerがサポートするコーデックは多種に渡り、DivX, Xvid, Quicktime, Windows Media video, Realmedia, MPEG, ASF, VOB, Flash videoなどに対応しています。これ以外のフォーマットにも実際には対応していますが不安定だったりかなりの再生遅延があったりするようです(MP4, H264など)。MKVフォーマットは’VIDEO’メニューではファイルが表示されないため使用できませんが、’Files’メニューからなら読み込めます。H264のような処理が重いフォーマットの場合は実用的な速度での再生ができません。マルチオーディオトラックのあるファイルの場合はメインのオーディオトラックのみ再生できます。その場合再生トラックの変更はできません。字幕についてはサポートしていません。
現在主流のXviD, Realmediaについては極端にビットレートが高くなければ驚くほど完璧に再生できます。ただ、フレーム落ちがないわけではなく、突然フレームが飛ぶこともありましたが問題になるほどではありません。音声も同様に良好で、DSのスピーカーからきちんとステレオで出力されますが、ヘッドフォンを使うぶんには問題ないですがスピーカー自体からの出力はかなり小さいです。ただし、ボリュームの可変範囲は2倍程度まであるので一番大きくすれば聞く分には十分な程度にはできますが、それでも普通のDSゲームと同じくらいにしかなりません。
ビデオのクオリティは非常に良好で、色表現に限界があるはずのDSLite/DSiの液晶画面でも非常に綺麗に見えます。元が綺麗なビデオファイルならキレのいいクリアな映像になります。映像は上画面で再生され、下画面にはプレーヤーのコントロール画面とファイル情報が表示されます。下画面は再生後しばらくするとバックライトがOFFになります。画面再生サイズはオリジナルと同じアスペクト比(ワイドスクリーンの場合は上下黒味になり表示部分としては小さくなります)での再生のほか、DSの画面いっぱいに伸ばしての再生も選択できます。ただしワイドスクリーンの場合かなり引き伸ばされます。これはワイドスクリーンのサイドをカットして4:3モードにするオプションがないためです。
サンプルビデオを見て、iPlayerの映像音声の同期性能はかなり印象に残りました。ビデオを十字キーや画面のスライダーで早送り巻き戻しができるのですがその場合映像と音声がばらばらに動いているようで、再生を始めるまではそのままなので見ているといらいらします。もちろんこれはコーデックやビットレート、microSDの速度にもよって変わってきます。
他にも、あったら良いと思っていた機能ですががブックマーク機能というものがあります。これは長編ものの映画やポッドキャストの途中でその位置を保存しておくことができる機能です。
音楽再生は期待通り素晴らしいです。MP3, WAV, OGG, Ape, WMAでテストしましたが動作にはまったく問題がありませんでした。
DLDIはHomebrewをサポートしており、パッチは自動的に行われます。ソフトリセットにも対応しています。
設定メニューで輝度、言語(英語/中国語)、スキン、バックライトのフェード時間、DLDIパッチ、ソフトリセットの設定が可能です。
iPlayerはAcekard2のハードウェアとファームウェアをベースにしています。GUIも分かりやすくまとまっており動作も良好です。特に再生中のファイルのID3タグやコーデック、ビットレートなどの詳細表示は優れものです。ただタッチスクリーンの反応が正確だとは言い難く、何回かタッチしないと動作しないときがありました。
全体的に第一印象としてはかなり良かったです。カードリッジの作りも良好です。高ビットレートの動画ファイルや特定のフォーマットファイルにこそ対応できていませんが、再生できるフォーマットは多岐におよび(Xvid, DivX, RMなど)、扱いも簡単なので機能としては十分です。将来ソフトウェアアップグレードでトラッキング時に同期がうまく取れない問題や、音のボリューム、GUIのレスポンスの問題などが改善されることを期待したいところです。実際iPlayerチームは今後ソフトウェアの改善を予定してお、先ほどの要望も真剣に検討すると話してくれました。
以上で最初のインプレッションを終了します。後に完全レビューをお届けする予定です。GBAtempDS関連の最新ニュース、情報にご期待ください。
注意:今回レビューしたiPlayerはサンプル版です。ラベルも製品版ではありませんしプラスチックケース自体も変更されるかも知れません。
ベースはAcekard 2i (2iとは書いてありませんが常識的に考えてAcekard 2iでしょう) のようです。とするとiPlayerもAcekardチームなのでしょうか。
バックアップROMの起動はできませんが、マジコンが違法扱いされて市場から駆逐されるくらいならiPlayerのような方向性の製品でよいと思います。日本独特の”マジコン”という呼び方も変えたほうが良いかもしれません。
発売日や価格などは明らかにされていませんが、情報が入ったらまたお伝えします。