Nintendo 3DSは2020年も継続販売

TheVergeで、ニンテンドーオブアメリカ社長のDoug Bowser氏がNintendo 3DSは来年も継続販売すると明言したことを伝えていました。

これはTheVergeの記者であるAndrew Webster氏が行ったインタビューの中でDoug Bowser氏が発言したもので、3DSの今後についてを質問したところ次のように答えました。

「3DSシリーズについては一部のお客様にとっては強力なエントリーモデルになっていると考えています。そういったお客様の需要がある限り、我々としてはハードもソフトもきちんと出していこうと考えています。」

もはや3DSはプラットフォームとしては死んだも同然ではないのかとの質問に対してはDoug Bowser氏はこのように答えました。

「今そういう3DSが終わるというようなお話しするつもりは全くありません。時間が経てば分かるでしょう。3DSについてはこの年末商戦から2020年にかけてもサポートを継続していきます。」

Switch/Switch Liteの販売が好調な中、安価なSwitch Liteが伸びていることで任天堂ゲーム機のエントリーモデルとしてSwitch Liteの立ち位置が確立しているように見えますが、任天堂自身はまだエントリーモデルとしての3DSの役割を重視しているようです。

あくまでも北米市場の話ですが、Switch Liteを購入した顧客のうち43%が2台目のSwitchとして購入しており、残りの57%は初めてSwitchを購入しています。その57%の中の女性比率が高く、Switch Liteの発売によって幅広い顧客にアクセスできるようになっていると任天堂では分析しています。

3DSはSwitch Liteと比較すると価格が安いため、幅広い顧客にアクセスするためのエントリーモデルとしての役割がまだ存在していると任天堂では分析しているのでしょう。来年も引き続き3DSの販売と3DS向けのタイトルの販売を継続する方針と言うことになります。

携帯ゲーム機は日本市場でしか売れていないと言われることがあります。そのため3DSは日本ならまだしも北米で来年も販売継続すること自体意外な印象がありますが、実は違います。

ここに任天堂が先日行われた「2020年3月期 第2四半期 決算説明会」で発表した3DS販売台数のグラフがあります。この数字を見ると携帯ゲーム機は日本市場「だけ」売れていないことが読み取れます。

3DS -Sales-Graph

実は3DSに関してはハード・ソフトとも北米市場が最も売れており、日本の実績は相対的に低下しています。もはや3DSのハード・ソフトとも日本市場は3DS全体の売り上げの中の1割に過ぎません。この実績だけ見ると3DSは日本市場で先に販売終了する可能性さえ否定できません。

ファミ通.comのゲーム発売スケジュールサイトによると、今後新たに発売が予定されている3DS向けタイトルは海外向けも併せてまだ30タイトルが予定されていますが、Z指定(CEROレーティング18才以上のみ対象ソフト)の比率が多くなっています。任天堂が欲しているエントリーデバイスというのは、もはや親が買い与えやすい安価なモデルである子供向けではなく、若者向けということが分かります。今までゲーム機と接点がなかった顧客層にアプローチするための安価なエントリーモデルである3DSはまだしばらく必要なモデルとして販売が継続されます。

なお、本文中では3DSと記載していますが、より安価な2DSも含んでいるシリーズ全体のことを指しているとお考え下さい。

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