moleculeチーム 折を見て活動休止へ Vitaハックの現状は?





Yifan Lu氏がブログでVitaハックの現状を報告していました。

実は昨年の大晦日にYifan Lu氏が1年の総括としてブログ記事を公開していました。タイトルは”State of the Vita 2016″(Vita 2016年の現状)。
そのとき日本ではすでに正月を迎えていたので「まー急がなくてもいいやーそのうち記事書こ!」とサボって温存しておりました。この記事はYifan Lu氏の報告内容をベースに日本語で再構成したものです。翻訳とは違います。

昨年の夏にHENkakuが公開されて以降数多くのHomebrewが公開され、その勢いをさらに広めるべくHENkaku環境のHomebrewコンテストGekiHEN(激変)も開催されました。今ではプラグインの実装も可能にしたHENkakuアップデート版の機能を持たせた拡張版taiHENkakuもリリースされています。もともとVitaシーンにいた開発者は多くないため、盛り上がるかと思われたGekiHENコンテストも残念ながら開発者が多数参加し色とりどりの応募が・・・という状況にはなっていません。

moleculeチームにとって昨年は多忙な年でした。彼らはプライベートを犠牲にして活動していますので、それぞれメンバーには思うところがあるようです。
Yifan Lu氏はtaiHENkakuが安定してそろそろかなという時期になったら手を引こうと考えています。Davee氏は近く何らかの「プレゼント」を公開する予定ですが、moleculeチームとしてはそれを持って今後は調査を伴わない、単なる開発だけの作業からは手を引くつもりです。
Yifan Lu氏は具体的には述べていませんが、調査が必要な内容、例えば新しいファームウェアへのHENkaku移植のためのexploiit開発などは引き続き調査に当たるのではないでしょうか。

手を引く=引退ですが、そこでシーンが停滞することはなさそうです。

HENkakuやVitaShellはGitHubにてソースコードが公開されていますから、仮にmoleculeチームが手を引いても有志による開発は継続できます。そこは過去のPSPシーンとは全く異なりますから元々の開発者が引退するとシーンが衰退するということはありません。
moleculeチームは開発者向け情報としてVita Development Wikiに各種情報もまとめ、Vita SDKやその仕様書も公開しています。後継開発者として誰かが手をあげればいつでも開発を継続できる環境は用意されています。

moleculeチームとして今後のシーンに望むこととして、

1) HENkakuを3.60以外のファームウェアへ移植すること
2) taiHENが目覚ましい拡張を遂げるものとして使われること
3) SDKのデバッガが開発されること
4) Vitaの最新ファームウェアのダンプを可能にしてHENkaku環境のままPSNへアクセスできるよう偽装機能を実装すること

を挙げています。そのための情報交換の場として新たにVita SDKフォーラムを立ち上げました。情報の分散化の観点から私はwololo氏の/talkフォーラムに統合すればいいのにと思いますが、moleculeチームの活動にはwololo氏が関与していないので仕方がないですね。

Vitaにはセキュリティゾーンが全部で4つあります。その4つはUserland、kernel (lv2)、TrustZone (lv1)、そしてF00D (lv0)と呼ばれています。このうち最初の3つはHENkakuでハックできましたがlv0のF00Dについてはまだ調査段階です。lv0のハックは最終段階ですのでなかなか成し遂げることは難しいですが、課題として残っている限りVitaのセキュリティはまだ完璧には破られていないことになります。

今回のHENkakuはソフトウェアハックですが、王道であるハードウェアハックというのもあります。ソフトウェアハック前段階には当然ハードウェアハックがあります。Yifan Lu氏もeMMC NANDのピンアサインを過去に公表していますが、Vitaにはテストポイントが存在しておらず、進めようにもYifan Lu氏の持つ道具と技術では(というより一般人には、の方が表現としては正しいかもしれません)困難な作業があり、実現できていないこともあるようです。ハードウェアMODに自信のある方はVitaのハードウェア面からのアクセスに取り組んでみるのもいいかもしれません。とりあえずYifan Lu氏としてはCPUの横にノイズを減らすための抵抗を入れたいそうですが、0.5mm以下の所に半田付けとか普通の人には無理ですよね。

こうしてYifan Lu氏の振り返るVitaシーンの歴史を見るとHENkakuは一朝一夕で成し遂げたのではないことがよく分かります。今回HENkakuがうまく行っているのはmoleculeチームのメンバーが誰一人として名声の独り占めをしようと欲張ったりしなかったことが一番大きな要因だったのではないかと思います。

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  1. ゆずむし’s avatar

    海外のVITAは日本でのXBOXと同じくらい売れてないそうですが、そんな中でここまで頑張ってくれたのはすごいですね。
    これからも誰かが引き継いでくれることを期待したいです。

Reply

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