Cobra BlackFin発売開始 その詳細が明らかに

Cobra BlackFinチームが、およそ5ヶ月ぶりに公式サイトを更新し、PS VitaでP2Pを利用してバックアップ起動を実現するというCobra BlackFinの出荷準備が整ったことと、BlackFin-1.0ソフトウェアおよびBlackFinユーザーマニュアルの配布を開始したことを発表していました。個人的に時間がない時に発表されたため記事にするのが遅くなりました。コメント欄で情報をお寄せいただいたddさん、みすたーxさん、あささん、ニシさんありがとうございます。

Cobra BlackFinチームは長期化情報を提示しなかった理由を「BlackFinソフトウェアの開発に注力していたため」としています。本意で売るつもりなら途中経過くらい報告するはずなので、何らかの理由で頓挫する恐れが存在していたのかもしれません。とりあえずは完成に至ったのでサイトを更新し、マニュアルと合わせて公開されました。「Cobra BlackFinのサンプルをレビューしてくれるサイトに配布した」としていますので、wololo氏のところにサンプルが届くのではないでしょうか。

ただ、当初から予想はされていましたがCobra BlackFinは法律的には違法ではないのかと聞かれたら、違法な使い方ができてしまうという点で違法だと判断される可能性が濃厚だと言わざるをえません。

配布されているマニュアルからCobra BlackFinの仕組みがわかりました。

Cobra BlackFinに含まれているのは
・BlackFinリーダー
・BlackFinカードエミュレータ
・BlackFinドングル
の3つです。

このうちBlackFinリーダーは純正のゲームカードを挿入するして使うもので、ゲームカードのデータをISOフォーマットでダンプすることができますが、その状態でゲームカードのコンテンツをネットワーク経由で共有するためのリーダーとしての役割も兼ねます。

BlackFinカードエミュレータはmicroSDカードを挿入して使う、純正ゲームカードの形状をしたもので、BlackFinリーダーでダンプしたバックアップISOファイルをゲームカードとしてエミュレートします。特殊フォーマットをしたmicroSDカードへBlackFinリーダーとBlackFinソフトウェアを使いバックアップISOをコピーして、そのmicroSDカードを挿入し使います。microSDの特殊フォーマットもBlackFinカードエミュレータにmicroSDを入れた状態でBlackFinリーダーを経由しBlackFinソフトウェアから行います。
BlackFinカードエミュレータをそのままではVitaに挿入しても認証されず起動できませんので、BlackFinソフトウェアをインストールしたPCを経由してインターネット上にある任意のサーバー(Cobra BlackFinサーバーがデフォルトになっていますがローカルサーバーでも可能です)と通信して、どうやっているのかは不明ですが純正として認識されるよう認証作業を行います。
結果、バックアップ起動が可能になります。
認証された状態だとサーバーを経由して第三者のBlackFinソフトウェアにも表示されてダンプできる、という危険な表記がマニュアルに書かれています。
認証作業は、VitaにBlackFinカードエミュレータを入れた状態でもBluetoothを使ってPCを経由して使ってできるようになっています。BlackFinドングルはそのために使う、単なるBlueToothドングルのようです。

マニュアルの最後に書かれていますが、Cobra BlackFinは3.57までのPS Vitaにしか対応していません。3.57はすでにCobra BlackFinが発表されていた今年の1月にリリースされたものですが、特に動作には支障がなかったようです。その後4月にリリースされた、現時点でも最新ファームウェアである3.60では何らかの理由で動作しなかったことになります。Cobra BlackFin発売前ですのでさすがに対策されたのではないでしょう。Cobra BlackFinチームも3.60へ対応すべく開発を進めていると公言しています。

Cobra BlackFinはすでに幾つかのサイトで注文できる状態のようですし、手に入れている方もいるようですが、調べれば調べるほどかなりグレーどころではないブラックな製品という印象を受けます。

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