VHBLのリリース後の注意点について

いろいろお騒がせしましたが、PlayStation VitaでのHomebrewローダーであるHalf Byte Loader for Vita(通称: VHBL)で利用しているexploitを持つゲームタイトル名が公開されました。あの記事はかなり急いで書いたのでつぎはぎだらけですが、それはさておき今週末にも公開が予定されているVHBL本体を入手した後の注意点を挙げておこうと思います。

■PS Vitaのファームウェアバージョンについて
PS Vitaの最新ファームウェアである1.61でもVHBLの起動は確認できています。しかし、PSPのエミュレータのベースとなっているPSPのファームウェアのバージョンは発売時から今日まで6.60で変わっていません。
従ってPS Vitaのファームウェアバージョンに関わらず既にインストールされているVHBLならば動作状況としては変化ありません。つまりPS VitaのファームウェアバージョンはVHBLの動作に影響しません。
ではバージョンは何でもいいのかというとそうではありません。CMA(コンテンツ管理アシスタント)を使ってセーブデータの転送が可能であればPS Vitaのファームウェアバージョンは問いませんが、逆に転送が必ず必要なためにPCへインストールされているCMAのバージョンに要求ファームウェアは左右されます。CMAにPS Vitaをアップデートせよと言われたら、言われた通りアップデートする以外に方法はありません。

■コンテンツ管理アシスタント for PlayStationについて
コンテンツ管理アシスタントで動作確認できているバージョンはWindows版の1.10.4086.63です。これより新しいバージョンが存在する場合、動作確認がされていません。1.10.4086.63はPS Vita側のファームウェアは1.61を要求します。
CMAのバージョンはインストール時ではなくインストール後しか確認できません。公式サイトにも「最新版ダウンロード」しか書かれておらず、今配布しているバージョンが分かりません。
VHBLの場合、セーブデータしか転送できないCMAを利用してVHBLのデータをPS Vitaに転送するために力技を使うためPS Vitaと接続できないことには使い物になりません。openCMAを使うように公式には告知されますが、私の環境ではopenCMAを使うとPS Vitaと接続できなくなりました。今CMAをインストールしている方はバージョンが1.10.4086.63以下であることを確認してください。まだインストールしていない方はすぐにでもインストールしてください。
Mac版の場合は1.10.4086.78までは動作確認できています。

■PS3を使ってのセーブデータ転送について
PS3の場合、セーブデータ転送するには最新ファームウェアの4.11である必要があるはずですが、4.11の場合VHBLに必要なデータを転送できません。データのほとんどが勝手に削除されます。これはPS VitaだけでなくPSPやPSP goを使っても同じでした。完全にHBLに必要なファイルだけを狙い撃ちして見事に削除します。拡張子で判断しているのではありません。そのため絶対にPS3でのデータ転送はしないでください。100%の確率で失敗します。セーブデータ転送はできますが、必要なファイルがないため起動させるとフリーズします。
ただしゲームだけをPS3でダウンロードしてPS Vitaへ転送することは『Motorstorm Raging Ice』自体がパッチされていない限り大丈夫です。私はPS3でゲーム含めたコンテンツを集中管理しているので『Motorstorm Raging Ice』はPS3で購入しました。そのかわりPS3とPSVitaのファームウェアは最新版にしておく必要があります。

■PS Vitaのメモリーカード必要容量について
『Motorstorm Raging Ice』のダウンロード版の容量は525MBです。VHBL本体は2MB程度ですので最低容量の4MBでも空き容量があれば問題ありません

■VHBLのインストール方法とHomebrewのインストール方法について
これについては日本語版のマニュアルを作りました。VHBL本体(セーブデータフォルダ)にREADME_JP.txtとして同梱されますのでそちらをご覧下さい。

■VHBLの安定性について
Hello Worldの時点からそうだったのですが、LiveAreaへ戻るとそのままフリーズすることがあります。また、起動するかしないかはふたを開けてみないと分かりません。3,800円もするゲームなのにVHBLが起動しないと困るという方は、実際にVHBLが配布されてから動作確認できたという人が出た段階で購入することをオススメします。

■VHBLの性能について
PS Vita向けになったからといってPSPで動作していたHBLと何も変わりません。バックアップ起動ができたりはしませんし、カーネルアクセスが必要なHomebrewが動くようになったりもしていません。wololo氏のブログのコメント欄にはいまだにISO起動できるのか?といった質問が来ていますがそんなことは元からできません。今までHBLを使っていない方にとっては多分使うメリットはありません

■VHBLリリースの段取りについて
現段階では『Motorstorm Raging Ice』が対策される、ストアから削除されるなどの不確定要素があるため、なるべく必要なユーザーが購入できるよう時間を作っています。VHBL本体を公開すると対策するための材料を公開することになるので今回はゲームタイトルとVHBL本体の同時公開は見送りました。本来なら/talkフォーラムでメンバーだけがこっそりゲーム名を知ってこっそり購入、最終的に今回の様な形で一般公開の段取りでした。実はフォーラムメンバーの中でも一部には海外版Vita発売後にゲーム名は公開されていました。一部と言ってもwololo氏自身が信頼できる人物であるとして認定したメンバーだけです。彼らも今日まで情報を公にすることなくここまで来ることができました。非常に感謝しています。
VHBL本体データについても日本人で私以外にも(当然teck4氏は持っています)複数名がVHBLを持っていますが、彼らも全くそのことを口にすることすらせず秘密を守ってくれました。ありがとうございます。
もちろん全世界向け公開のために一番尽力してくれたのはwololo氏です。感謝。

■おまけ。『Motorstorm Raging Ice』について
レースゲームが好きな方は多分ハマる系統のゲームだと思います。VHBLで使えなくても後悔しないのではないでしょうか。今までexploitはだいたい重複することが多かったのですが、teck4氏が発見したこのゲームに関しては海外含めて重複ゼロでした。かなりレアなケースです。

『VHBLのリリース後の注意点について』へのコメント

  1. 名前:sky-18 投稿日:2012/03/02(金) 06:49:10 ID:3629933c4 返信

    VHBLでmp3を扱うことはできますか?

    • 名前:mamosuke 投稿日:2012/03/02(金) 08:43:52 ID:6fdeea618

      Homebrewでmp3を再生することができるものが動作するなら扱えると思いますが、実際にセーブデータ内にmp3ファイルを保存した状態で転送できるかどうか試していないので分かりません。wavファイルは大丈夫です。

  2. 名前:ドナルド 投稿日:2012/03/02(金) 07:34:54 ID:0782727c4 返信

    CMAのバージョンが1.10.4086.70だったorz

    • 名前:mamosuke 投稿日:2012/03/02(金) 08:46:19 ID:6fdeea618

      知らない間にアップデートしているのがCMAの特徴です。1.10.4086.70でもやってみたらOKの可能性もあります。

  3. 名前:ドナルド 投稿日:2012/03/02(金) 11:19:13 ID:4fc5b39d6 返信

    そうですか
    ありがとうございます

  4. 名前:you 投稿日:2012/03/02(金) 12:27:47 ID:e30944f81 返信

    11:30の時点で、ストアからMotorStorm Raging Icehaは削除されていました。
    復活したとしても、次に出てくるのはパッチされたものでしょう。
    本当に残念です。
    次に期待しています。