スマートフォンとの差別化 – 任天堂の危機感と宮本茂氏の引退説

VG247で、任天堂の専務取締役 情報開発本部長 宮本茂氏がスマートフォンでは実現できないようなコンテンツを作るプロジェクトに取り組むようだと伝えていました。

結局はガセだったものの引退説が流れた宮本氏が新たなプロジェクトに取り組むことだけは本当だったことが本人のコメントから分かりました。

「何も変わらないし、任天堂での自分の役割はこれからも変わりません」

宮本氏は「引退説」についてはこのように明確に否定しました。その上で次のように述べています。

「実際に商品化にこぎつけるまでは明かすことはできませんが、僕達が本当にやらなきゃいけないのは差別化です。スマートフォンでは絶対にできないようなものを作って行かなければなりません。」

日本のみならず世界で猛威を振るうスマートフォンブームですが、日常生活品である携帯電話がゲームのプラットフォームになるとゲーム機の専門メーカーとしての任天堂としての立ち位置が危うくなります。任天堂は自社のゲーム機以外のプラットフォームにゲームコンテンツを供給することはしないという戦略ですので、専用ゲーム機ならではのコンテンツ供給力は非常に重要です。任天堂はそれをきちんと分かっていて解決策を模索しているようです。その旗振り役として宮本氏が今後「スマートフォンでは絶対できないようなもの」を作るプロジェクトに取り組むようです。

宮本氏の引退するぞ発言は、今後の若手の頑張りに期待するためのそういった危機感の裏返しだったのかもしれません。

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